
ChatGPT Workが発表された2026年7月9日、Anthropicはすでに半年以上前からClaude Coworkを先行リリースしていました。Claude Coworkは2026年1月にリサーチプレビューとして登場し、4月9日に正式GA(一般提供)を迎えています。ChatGPT WorkはそのGAからおよそ3ヶ月後に登場した後発サービスにあたります。
「ChatGPT WorkとClaude Cowork、どちらをビジネスで使うべきか」という疑問を持っている方も増えているのではないでしょうか。両者はともに自律型のビジネスAIエージェントを標榜していますが、設計思想や強みが異なります。
この記事では、同カテゴリの直接競合サービスであるChatGPT WorkとClaude Coworkを、リリースタイムライン・料金・エージェント機能・外部連携・セキュリティの観点から比較し、用途別の選び方をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
比較するサービス
| ツール | 提供元 | 正式GA日 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT Work | OpenAI | 2026年7月9日発表 | 業務文書生成・ビジネスワークフロー自動化 |
| Claude Cowork | Anthropic | 2026年4月9日GA(1月リサーチプレビュー) | 自律型ナレッジワーク・多段階ビジネスタスク |
なお、「Claude Code」はコーディングに特化した別サービスであり、この記事では主にClaude Coworkとの比較を扱います。コーディング支援についてはまとめセクションで簡単に触れます。
まず結論:用途別のおすすめ
ChatGPT WorkとClaude Coworkはどちらか一方が絶対優れているというわけではなく、得意分野が異なります。用途に応じて選ぶのが実用的です。
リリースタイムライン
| 時期 | ChatGPT Work | Claude Cowork |
|---|---|---|
| 2026年1月 | – | リサーチプレビュー開始(macOS向け、Claude Pro限定) |
| 2026年2月 | – | Windowsサポート追加・プレビュー拡大 |
| 2026年4月9日 | – | 正式GA(ベータラベル外れ、有料ユーザー全員に提供) |
| 2026年7月7日 | – | Web・モバイル(iOS/Android)対応に拡大(Maxプラン先行) |
| 2026年7月9日 | 正式発表 | – |
ChatGPT WorkはClaude CoworkのGAから約3ヶ月後に発表されています。ただし、OpenAIが意識してClaude Coworkと競合する設計にしたかどうかは現時点では確認できていません。
比較表(主要機能・料金・エージェント動作・連携ツール等)
| 項目 | ChatGPT Work(OpenAI) | Claude Cowork(Anthropic) |
|---|---|---|
| 提供形態 | デスクトップアプリ(Chat/Work/Codexの3モード) | Webアプリ・デスクトップアプリ・iOS/Android(2026年7月〜) |
| 最新モデル(2026年7月) | GPT-5.6ファミリー(Sol・Terra・Luna) | Claude Sonnet 5・Opus 4.8等 |
| コンテキストウィンドウ | 非公開(GPT-5.6世代) | 最大100万トークン(Sonnet 5・Opus 4.8) |
| エージェント実行環境 | デスクトップアプリ内(サンドボックス) | Anthropicサーバー上のリモート実行(クラウド型) |
| オフライン継続実行 | 対応(有料プラン) | 対応(クラウドで継続。PCをオフにしても実行継続) |
| スケジュール実行 | 対応(有料プランのみ) | 対応(時刻指定タスクに対応) |
| 外部ツール連携 | Slack・Teams・Drive・SharePoint・CRM等 | カレンダー・メール・ファイル・ブラウザ等(PC内アプリ横断) |
| 成果物の自動生成 | ドキュメント・スプレッドシート・プレゼン・Webサイト等 | レポート・文書等(スプレッドシート生成はChatGPT Work優位) |
| Human-in-the-Loop | 対応(承認・修正タイミングを設定可能) | 対応(判断が必要な場面で一時停止して確認) |
| モバイルからの監視・操作 | 記事執筆時点で未確認 | 対応(タスク開始後にモバイルで進捗確認・操作可) |
| 個人向け最安プラン | Plus:US$20/月 | Pro:US$20/月 |
| 無料枠でのCowork利用 | 一部機能のみ(Freeは主要機能不可) | 不可(有料プランのみ) |
| 日本法人・サポート | なし(グローバル展開) | Anthropic Japan 設立済み |
ChatGPT Workの特徴
ChatGPT Workは、2026年7月9日にOpenAIが正式発表した業務遂行型AIエージェントです。新しいChatGPTデスクトップアプリ(macOS・Windows)に統合されており、「Chat」「Work」「Codex」の3モードが1つのアプリで使えます。
強み
エージェント機能
ChatGPT Workの最大の特徴は、ゴールを入力するとリサーチ・分析・成果物生成を多段階で自律実行するエージェント機能です。実行中は進捗をリアルタイムで確認でき、必要なタイミングで人間が承認・修正をはさめるHuman-in-the-Loop設計になっています。
外部ツールとの連携
@Slack・@Google Drive・@Microsoft Teams・@SharePoint・CRMツール・プロジェクト管理ツールなど、ビジネスで使うツールをメンション形式で指定してコンテキストを取得できます。Microsoft 365・Teamsとの連携はOpenAI側が優位とされています。
成果物の生成
ドキュメント・スプレッドシート・プレゼンテーション・レポート・Webサイト(Sites)を自動生成できます。ChatGPTのUIから直接、アウトプットまで一貫して完結する点が特徴です。
スケジュール実行
一回限りの実行・繰り返しスケジュール・イベントトリガーに対応しています。ユーザーがオフラインの間も継続してタスクを進めることができます(有料プランのみ)。
注意点
向いている人
Claude Coworkの特徴
Claude Coworkは、Anthropicが開発・提供する自律型AIエージェントです。コーディングではなくナレッジワーク(文書作成・調査・データ処理・業務オペレーション)を非技術者が自分でこなせるよう設計されています。1.2百万件以上のセッションデータによると、90%以上の利用がコンテンツ作成・業務オペレーション・プロセス管理などのオフィス系タスクです。
リリースタイムライン
Claude Coworkは2026年1月にmacOS向けリサーチプレビューとして登場し、2026年2月にWindowsサポートを追加。同年4月9日に正式GA(一般提供)を迎えました。2026年7月7日にはWeb・モバイル(iOS/Android)対応に拡大し、Maxプランユーザーへの先行展開が始まっています。
強み
クラウド上でのリモート実行
Claude Coworkのセッションは、ユーザーのPCではなくAnthropicのサーバー上のリモート環境で実行されます。これにより、PCをシャットダウンしたりインターネットから切断した後も、タスクは継続して実行されます。セッションの進捗・ファイル・作業状態はClaudeアカウントに同期されます。
デバイス間の連携
PCで複雑なタスクを開始し、外出先ではモバイルアプリで進捗確認・操作ができます。2026年7月7日からWebおよびiOS/Androidアプリへの展開が始まっており、Max planユーザーへの先行提供中です(Pro・Team・Enterpriseへの展開は順次予定)。
スケジュール実行
特定の時刻(例:毎朝6時にブリーフィング文書を準備)にタスクを自動起動できます。ユーザーのデバイスがオフラインでも実行されます。
幅広いツール操作
カレンダー・メール・メッセージアプリ・Webブラウザ・ローカルファイルなど、PC内の多様なアプリを横断して操作できます。エンド・ツー・エンドの成果物(レポート・プレゼン・データ整理など)を完結させることを設計思想としています。
Human-in-the-Loopの設計
エージェントが自律実行する一方で、判断が必要な場面では自動的に一時停止してユーザーに確認を求める設計です。最終的な成果物が意図せず送信・公開されることがないよう、承認フローが組み込まれています。
日本市場への対応
Anthropic Japan(2025年設立)が日本で活動しており、大手国内企業との協業実績があります。
- NEC:社内3万席での導入
- Hitachi:29万人の従業員向けに展開
- 富士通・野村総合研究所との協業
注意点
向いている人
料金で比較
個人向けプランの比較(2026年7月時点)
| プラン | ChatGPT(OpenAI) | Claude(Anthropic) |
|---|---|---|
| 無料 | Free(一部モデル制限あり。Workの主要機能は不可) | Free(Cowork不可) |
| 基本有料 | Plus:US$20/月 | Pro:US$20/月(年払い US$17/月) |
| 上位個人 | Pro:US$100〜200/月 | Max 5x:US$100/月 |
| 最上位個人 | – | Max 20x:US$200/月 |
Claude CoworkはProプラン以上で利用可能ですが、エージェントタスクはトークン消費が多いため、日常的な重い利用にはMax 5x(US$100/月)以上が推奨されています。
チーム・法人向けプランの比較
| プラン | ChatGPT Business(OpenAI) | Claude Team(Anthropic) |
|---|---|---|
| 基本チーム | US$25/seat/月(月払い)、US$20/seat/月(年払い) | US$25/seat/月(Standard・月払い)、US$20/seat/月(年払い)、5〜150名 |
| 上位チーム | – | US$125/seat/月(Premium・月払い)、US$100/seat/月(年払い) |
| Enterprise | 個別見積もり | 個別見積もり(20名以上) |
Claude Team StandardはPro相当の使用量、Team PremiumはMaxプラン相当の大量使用に対応しています。Standard席とPremium席を組み合わせて運用することが可能です。150席を超える場合はEnterpriseプランへの移行が必要です。
セキュリティ・データポリシーで比較
ChatGPT Work(OpenAI)
- 有料プランではトレーニングへのデータ使用をオプトアウト可能
- Enterpriseプランではデータが学習に使われないことを保証
- Enterpriseでは複数地域(日本を含む)でのデータ保存先を指定可能
- Microsoft 365・Teamsとの深い統合で企業ガバナンス管理がしやすい
Claude Cowork(Anthropic)
どちらも一定のセキュリティ機能を備えていますが、医療・金融・法律など規制産業での利用では、AnthropicのEnterprise(HIPAA適格・Compliance API対応)が選択肢になりやすい傾向があります。
コーディング支援について(補足)
Claude Coworkはナレッジワーク向けのエージェントですが、Anthropicは別途「Claude Code」というコーディング特化のエージェントも提供しています。ChatGPT WorkにはCodexモードが統合されています。コーディング支援を主目的とする場合は、Claude CodeとCodexを別途比較することをおすすめします。
どちらを選ぶべきか?
明確な選び方の基準を以下にまとめます。
ChatGPT Workが向いているケース
- ChatGPTをすでに業務で使っていて、エージェント機能を追加したい
- Slack・Teams・Google Drive・SharePoint等の外部ツールとの連携フローを構築したい
- 文書・プレゼン・スプレッドシートの自動生成を業務ワークフローに組み込みたい
- スケジュール実行やオフライン中の自律タスクを実現したい
- Microsoft 365・Teamsとの深い統合が前提の組織
Claude Coworkが向いているケース
- PC内のカレンダー・メール・ファイルなど複数アプリを横断した自律タスクを実行したい
- クラウド側でタスクを実行させ、PCオフ中も処理を継続させたい
- 長文ドキュメントの深い推論・分析が主なユースケースである
- HIPAA対応・SOC 2・Compliance APIなど高度なセキュリティ要件がある
- Anthropic Japanのサポートや国内パートナー経由の導入を検討している
- モバイルから起動したタスクの進捗をリモートで監視・操作したい
時系列で見たポジション
Claude Coworkは2026年1月リサーチプレビュー・4月GAと先行しており、Anthropicはオフィスワーカー向けエージェントをいち早く展開してきました。ChatGPT WorkはそのGA後の2026年7月に登場した後発です。どちらが優れているかというよりも、先行者であるClaude Coworkに対し、OpenAIが独自の設計で正面から競合してきた構図といえます。
併用も現実的な選択肢
両サービスを組み合わせて使うユーザーも増えています。ChatGPT WorkでSlack連携・自動スケジュール・文書生成をこなし、Claude CoworkでPC内ツールを横断した深い調査・分析タスクを担当するといった使い分けは実用的な選択肢です。
よくある質問
ChatGPT WorkとClaude Coworkはどちらが先に登場しましたか?
Claude Coworkが先行しています。Claude Coworkは2026年1月にリサーチプレビューとして登場し、4月9日に正式GAを迎えました。ChatGPT Workは2026年7月9日に発表されており、Claude CoworkのGAから約3ヶ月後にあたります。
ChatGPT WorkとClaude Coworkはどちらが安いですか?
両サービスとも個人向けの基本プランはUS$20/月から提供されています。ただし、Claude CoworkはAgentタスクのトークン消費量が多く、重い利用ではMax 5x(US$100/月)が推奨されています。チームプランはどちらもUS$25/seat/月から提供されており、年払いならUS$20/seat/月です。
Claude Coworkは無料で使えますか?
Claude Coworkは有料プランでのみ利用可能です。Freeプランでは利用できません。Proプラン(US$20/月)以上が必要です。
Claude CoworkはMicrosoft Teamsと連携できますか?
2026年7月時点の公式情報ではSlackおよびGoogle Workspaceとの連携が中心です。Microsoft Teamsとの深い統合はChatGPT Workが優位とされています。ClaudeはMCP経由や社内システム経由での対応が中心となる場合があります。最新情報はAnthropicの公式ドキュメントを確認してください。
Claude Coworkのモバイル対応状況は?
2026年7月7日からWeb・iOS・Android対応への展開が始まりましたが、記事執筆時点(2026年7月)ではMaxプランユーザーへの先行提供中です。Pro・Team・Enterpriseへの展開は順次進む予定とされていますが、具体的な時期は未確認です。
ChatGPT Workの無料枠は?
Freeプランでも一部のWorkモードにアクセスできますが、利用できるモデルはTerraのみとなります。スケジュール実行などの主要なエージェント機能は有料プランのみです。本格的な業務自動化にはPlusまたはBusinessプランが実用的です。
日本企業がClaude Coworkを導入する場合、どのように問い合わせできますか?
Anthropic Japan K.K.が日本で活動しており、NEC・富士通・野村総合研究所など国内パートナー経由での導入支援も行われています。大規模な企業導入を検討している場合は、Anthropicの公式サイトまたは国内パートナーへの問い合わせが選択肢になります。
まとめ
2026年7月時点のChatGPT WorkとClaude Coworkを比較すると、それぞれ異なる強みを持つビジネスAIエージェントとして存在しています。
ChatGPT Workは外部SaaSツール(Slack・Teams・Google Drive等)との連携・文書自動生成・スケジュール実行を中心に設計されたエージェントです。2026年7月9日に正式発表された後発サービスですが、OpenAIエコシステムとの統合とMicrosoft系ツールとの親和性が強みです。
Claude Coworkは2026年1月から展開を進めてきた先行サービスで、Anthropicサーバー上でのリモート実行・PCオフ後も継続するクラウド型アーキテクチャ・PC内ツールの横断操作を特徴としています。2026年7月7日からWeb・モバイル展開が始まり、より広い場面で利用できるようになっています。
| 目的 | おすすめ |
|---|---|
| 文書・プレゼン・スプレッドシートの自動生成 | ChatGPT Work |
| Microsoft 365・Teams連携の自動化フロー | ChatGPT Work |
| PC内ツール横断の自律タスク実行 | Claude Cowork |
| モバイルからのタスク監視・継続実行 | Claude Cowork |
| セキュリティ・HIPAA対応が必要なEnterprise | Claude Cowork(Enterprise) |
| 日本国内のサポート・パートナー導入 | Claude Cowork(Anthropic Japan) |
どちらが正解かは用途と組織の状況によって異なります。両サービスとも有料プランのトライアルが用意されているため、まずは実際に試して自社の業務フローに合うかを確認することをおすすめします。
