【2026年版】個人開発の無料DB比較|Supabase・Neon等の無料枠と選び方

個人開発を始める際、誰もが一度は頭を悩ませるのが「データベースをどれにするか」という選定問題です。

できれば完全無料で使い続けたいものの、インフラ設定に時間をかけたくない、あるいは久しぶりにポートフォリオを開いたらデータベースがスリープしていて動かなかった、といったトラブルは避けたいところです。さらに、ユーザー認証や画像保存までまとめて揃えたいのか、それとも軽量なデータベース単体で十分なのかによって、選ぶべきサービスは根本から異なります。

この記事では、2026年現在の個人開発シーンで実際に選ばれている主要な無料データベース9選を徹底比較します。単なるカタログスペックの紹介にとどまらず、実際の運用で直面するスリープの罠、無料枠の現実的な規模感、SupabaseとNeonの使い分け、そして各サービスを選んではいけないケースまで、個人開発者が事故らずに選定できる実践的なガイドをお届けします。

  1. この記事で行うこと
  2. 前提条件・対象読者
  3. 30秒でわかる目的別おすすめと選定フロー
    1. 結論:迷ったらこの組み合わせ
    2. バックエンド選定の意思決定ツリー
  4. 無料枠のリアル:容量(500MB)より先に問題になる4つの罠
    1. 罠1:非アクティブ時の一時停止(スリープ)と復帰遅延
    2. 罠2:無料枠を超過したときの挙動(停止 vs 制限 vs 課金)
    3. 罠3:日本(東京)リージョンとレイテンシの差
    4. 罠4:Egress(外部転送量)とAPI呼び出し回数の上限
  5. 徹底比較:Supabase vs Neon|どっちを選ぶべき?
    1. Supabaseが勝っている点
    2. Neonが勝っている点
  6. 無料枠でどこまで作れる?個人開発のユースケース別シミュレーション
    1. ケース1:個人向け家計簿・TODOアプリ(ユーザー数1,000人規模)
    2. ケース2:株価・暗号資産の自動収集ツール(バッチ処理)
    3. ケース3:LINE Bot・Webhook連動サービス
  7. 比較する9つのデータベース詳細解説
    1. 1. Supabase (全部入り・PostgreSQL)
      1. 強み
      2. 注意点
      3. 選ばない方がいい人
    2. 2. Firebase (信頼と実績のGoogle・NoSQL)
      1. 強み
      2. 注意点
      3. 選ばない方がいい人
    3. 3. Turso (コールドスタートゼロ・爆速SQLite)
      1. 強み
      2. 注意点
      3. 選ばない方がいい人
    4. 4. Cloudflare D1 (Workers/Pages統合の分散SQLite)
      1. 強み
      2. 注意点
      3. 選ばない方がいい人
    5. 5. TiDB Cloud Starter (スリープなし・東京対応のMySQL互換DB)
      1. 強み
      2. 注意点
      3. 選ばない方がいい人
    6. 6. Neon (サーバーレスPostgreSQL・ブランチ機能)
      1. 強み
      2. 注意点
      3. 選ばない方がいい人
    7. 7. Convex (リアルタイム同期リアクティブBaaS)
      1. 強み
      2. 注意点
      3. 選ばない方がいい人
    8. 8. Appwrite (オープンソースのオールインワンBaaS)
      1. 強み
      2. 注意点
      3. 選ばない方がいい人
    9. 9. PocketBase (超軽量・1バイナリのセルフホストBaaS)
      1. 強み
      2. 注意点
      3. 選ばない方がいい人
  8. 機能と制限の徹底比較マトリクス
  9. 無料枠が廃止・変更されたサービス(注意点)
    1. PlanetScale
    2. Xata
  10. おわりに
  11. 参考情報

この記事で行うこと

  • 個人開発で使える主要無料データベース9選(BaaS・DBaaS・OSS)の比較
  • 冒頭30秒でわかる目的別DB選定フローチャートと用途別おすすめの提示
  • 需要の高い「Supabase vs Neon」の直接対決と使い分け基準の整理
  • 無料枠で直面する4つの落とし穴(スリープ、容量、超過時挙動、リージョン)の解説
  • 具体的なアプリ(ポートフォリオ、株価収集、LINE Bot等)での規模感シミュレーション

前提条件・対象読者

  • Webアプリ、スマホアプリ、LINE Botなどを個人開発しているエンジニア
  • クレジットカード登録不要または無料枠内で安全にサービスを運用したい方
  • PostgreSQL、MySQL、SQLite、NoSQL、BaaSのどれを選ぶべきか迷っている方

30秒でわかる目的別おすすめと選定フロー

まずは結論から提示します。プロジェクトの要件や作りたいものに合わせて、以下のフローで選ぶのが最も失敗しません。

結論:迷ったらこの組み合わせ

やりたいこと・目的おすすめの選択肢選定の決め手
認証・ストレージも一括で揃えたい(Postgres)Supabase全部入りの王道。モダンフロントエンドとの親和性が抜群
DB単体で本格Postgresを使いたい・ブランチ開発NeonGit連動のブランチ運用と350msの超高速スリープ復帰
MySQLを使いたい・絶対にスリープさせたくないTiDB Cloud Starter東京リージョン対応、大容量10GiB、スリープなし
コールドスタート0で爆速のSQLiteを叩きたいTurso日本リージョン対応、月間5億行Read、レスポンス最速
Cloudflare Workers/Pagesでエッジ完結したいCloudflare D1エッジ分散SQLite、日次500万行Read、7日間ロールバック
放置前提のスマホアプリや小規模WebツールFirebase (Firestore)アクセスがなくても一切スリープしない安心感
React/Next.jsでリアルタイム同期UIを作りたいConvex状態管理・キャッシュ不要でUIとDBが即時同期
月数百円のVPSで完全自己管理したい(超軽量)PocketBase1バイナリでDB・認証・管理画面が完結
VPSでSupabase並みの多機能BaaSを自前ホストAppwriteDockerで手軽に構築できるオープンソースBaaS

バックエンド選定の意思決定ツリー

  1. 認証やファイル保存(ストレージ)もまとめてクラウドに任せたいか?
  • はい(全部入りBaaSが欲しい):
    • リレーショナルなSQL(Postgres)が良い 👉 Supabase
    • モバイルアプリ中心、または完全放置でも止めないNoSQLが良い 👉 Firebase
    • フロントエンドとのリアルタイム同期を最重視する 👉 Convex
    • 自前のVPSで安く動かしたい 👉 PocketBase / Appwrite
  • いいえ(データベース単体で十分):
    • PostgreSQLを使いたい 👉 Neon
    • MySQLを使いたい 👉 TiDB Cloud Starter
    • SQLiteをクラウドやエッジから超高速に叩きたい 👉 Turso / Cloudflare D1

無料枠のリアル:容量(500MB)より先に問題になる4つの罠

無料データベースを選ぶ際、多くの人が「ストレージ容量(500MBや5GB)」ばかりに注目しがちです。しかし、実際に個人開発で運用を始めると、容量よりも遥かに先に以下の4つの壁にぶつかります。

罠1:非アクティブ時の一時停止(スリープ)と復帰遅延

無料枠のデータベースの多くは、コスト削減のために「一定時間アクセスがないと自動停止」します。

  • Supabase:1週間アクセスがないと完全停止(Pause)。再起動にはダッシュボードからの操作が必要で、復帰に数十秒から1分程度かかります。面接官やユーザーにポートフォリオを見せる瞬間にサイトが開かない、という事故が起きやすいのが最大の注意点です。
  • Neon:5分間アクセスがないと自動スリープ(ゼロスケール)しますが、リクエストを受けると約350ミリ秒で自動復帰します。体感上の遅延がほぼないため、ポートフォリオでも安心です。
  • Firebase / TiDB / Turso / D1:そもそもアイドル時の一時停止が存在しないため、長期間アクセスがゼロでも常時即座に応答します。

罠2:無料枠を超過したときの挙動(停止 vs 制限 vs 課金)

アクセスが急増したり、スクレイピングで大量のデータを流し込んだ際にどうなるかも重要です。

  • サービス停止型(Supabase、Convex等):無料枠の上限に達するとAPIがエラーを返し、サービスが一時的に止まります。勝手に課金される心配はありませんが、サービスが落ちるリスクがあります。
  • 速度制限型(TiDB Cloud等):リクエスト数(RU)の上限に達してもクラスタは停止せず、スロットリング(流量制限)がかかるだけで通信は継続されます。
  • 自動課金型(クレジットカード登録時):従量課金プランにクレカを紐付けている場合、リミットを超えた分が自動請求されます。完全無料で抑えたい場合は、クレカ登録不要で使えるプランを選ぶのが鉄則です。

罠3:日本(東京)リージョンとレイテンシの差

データベースが設置されているデータセンターの場所によって、APIの応答速度が大きく変わります。

  • 東京リージョンあり(Supabase, TiDB, Turso):日本国内からの通信レイテンシは数ミリ秒から十数ミリ秒程度と極めて快適です。
  • 東京リージョンなし(Neon, Appwrite, Convex):最寄りがシンガポールや米国(US)になります。海外との往復通信(ラウンドトリップ)が発生するため、1回のクエリにつき数十〜100ミリ秒以上の物理的な通信遅延が上乗せされます。何回も連続でクエリを投げる設計にすると、ページ描画が目に見えて重くなるため注意が必要です。

罠4:Egress(外部転送量)とAPI呼び出し回数の上限

データベース自体の保存容量は余っていても、データをクライアントに送る「転送量(Egress)」や「月間リクエスト数」の上限に先に引っかかるケースがあります。特にSupabaseの無料枠は月間Egressが5GBとなっているため、大きな画像やバイナリを大量にストレージ経由で配信するとすぐに消費してしまいます。

徹底比較:Supabase vs Neon|どっちを選ぶべき?

個人開発でPostgreSQLを使いたい場合、最も比較されるのがSupabaseとNeonです。どちらも極めて優秀ですが、設計思想が全く異なります。

比較項目SupabaseNeon
カテゴリ全部入りBaaSサーバーレスPostgreSQL特化
ユーザー認証標準搭載(GoTrue / 5万MAU)Managed Better Auth(6万MAU)
ファイル保存標準搭載(1GBまで無料)なし(S3等と連携)
一時停止仕様1週間アクセスなしで完全停止5分でスリープ、約350msで即時自動復帰
DBブランチ機能なしあり(GitのようにDBを瞬時分岐)
日本リージョン東京リージョン選択可能なし(シンガポール等)
無料枠容量500MB / 転送5GB0.5GB / 月間100 CU時間
最適な用途フロントから直接呼ぶフルスタックアプリNext.js/Vercelでのブランチ開発・APIサーバー

Supabaseが勝っている点

認証、ストレージ、リアルタイム購読、自動生成APIがすべて1つにパッケージ化されているため、バックエンドのコードをほぼ一行も書かずにアプリを完成させられます。東京リージョンが選べるためレイテンシも極小です。

Neonが勝っている点

Gitブランチのようにデータベースをボタン1つやCLIで複製できるため、プルリクエストごとに専用のDB環境を作ってマイグレーションテストを行うモダンなCI/CDパイプラインが組めます。また、5分でスリープしてもリクエストが来れば0.35秒で復帰するため、放置気味のサービスでもアクセス不能になりません。

無料枠でどこまで作れる?個人開発のユースケース別シミュレーション

「500MBや5GBで何ができるのか」を、実際のアプリケーション規模でシミュレーションしてみます。

ケース1:個人向け家計簿・TODOアプリ(ユーザー数1,000人規模)

  • 1レコードの平均サイズ:約0.5KB(日付、金額、カテゴリ、メモ)
  • 1人あたり年間1,000レコード作成:約0.5MB/年
  • 1,000人合計:年間約500MB
  • 結論:Supabase(500MB)でも1年間は無料枠内で余裕を持って運用可能です。TursoやTiDB(5GB〜10GB)なら10年間運用しても無料枠に収まります。

ケース2:株価・暗号資産の自動収集ツール(バッチ処理)

  • 1日1回、1,000銘柄の日足データ(始値・高値・安値・終値・出来高)を保存
  • 1日あたり1,000レコード(約200KB)
  • 1年間で約73MB、10年間で約730MB
  • 結論:株価のヒストリカルデータを蓄積する場合、500MBだと数年で上限に達します。行ストレージ5GiBを提供するTiDB Cloud Starterや、5GBのTursoを選ぶと、数十年分の市場データを完全無料で蓄積できます。

ケース3:LINE Bot・Webhook連動サービス

  • 外部サービスからのWebhook通知を受けてDBに書き込み・返信するツール
  • 注意点:LINEのWebhookはタイムアウト時間が短いため、DBがスリープしていて復帰に数秒かかるとエラー(応答不能)になります。
  • 結論:スリープが存在しないFirebase、TiDB Cloud、Turso、Cloudflare D1のいずれかを選ぶ必要があります。

比較する9つのデータベース詳細解説

ここからは、各サービスの強み、注意点、選ばない方がいいケースを詳しく掘り下げます。

1. Supabase (全部入り・PostgreSQL)

Firebaseのオープンソース代替として誕生した、現代のWeb開発におけるデファクトスタンダードです。

強み

PostgreSQLの堅牢なリレーショナル機能に加え、Auth、Storage、Edge Functions、リアルタイムリスナーが揃っています。ベクトル検索(pgvector)も無料で使えるため、RAGやAIチャットアプリの開発基盤としても大人気です。

注意点

1週間アクセスがないとプロジェクトが一時停止され、再開に時間がかかります。無料枠は最大2プロジェクトまでです。

選ばない方がいい人

  • 数ヶ月間放置する予定のポートフォリオや展示用Webサイトを作りたい人
  • Webhook受信など、常時数秒以内の即時応答が求められるBotを作りたい人

2. Firebase (信頼と実績のGoogle・NoSQL)

モバイルアプリ開発やGoogle Cloud環境で最も実績のあるプラットフォームです。

強み

アクセスが全くない状態が何ヶ月続いても、データベースが一時停止(スリープ)しません。Firestoreの1GB無料枠と、古いデータを自動削除するTTLポリシーを組み合わせることで、完全無料で半永久的に稼働させられます。

注意点

ドキュメント指向のNoSQLであるため、SQLのJOINのような複雑なリレーション結合には不向きです。SMS認証は有料化されています。

選ばない方がいい人

  • 複雑なリレーショナルデータ構造をSQLで柔軟にクエリしたい人
  • SupabaseのようにSQLでサクッと分析クエリを投げたい人

3. Turso (コールドスタートゼロ・爆速SQLite)

SQLite互換のlibSQLを採用し、エッジでの超低遅延アクセスを追求したDB特化型サービスです。

強み

リクエスト待ち時間(コールドスタート)が完全にゼロです。無料枠で東京リージョンを選択でき、5GBストレージと月間5億行の読み取りという極めて寛大な枠が提供されます。ローカルとクラウドの差分を自動同期するEmbedded Replicasも強力です。

注意点

BaaSではないため、認証や画像保存の機能は持っていません。ClerkやAWS S3等と組み合わせる必要があります。

選ばない方がいい人

  • 1つのサービスだけで認証からストレージまで全部済ませたい人
  • 大規模な書き込みトランザクションが多発するシステム

4. Cloudflare D1 (Workers/Pages統合の分散SQLite)

Cloudflareのエッジネットワーク上で動作するサーバーレスSQLiteです。

強み

Cloudflare WorkersやPagesとネイティブ統合されており、エッジ環境から通信オーバーヘッドなしでクエリを実行できます。日次500万行の読み取り、総計5GBストレージ(最大10DB、各500MB)が無料で、スリープもありません。過去7日間の状態に戻せるTime Travel機能も無料です。

注意点

1データベースあたりの上限が500MBであるため、マルチテナントや用途ごとにDBを分割する設計が前提になります。外部サーバーから接続するにはProxy Worker等の構築が必要です。

選ばない方がいい人

  • 数ギガバイト規模の単一テーブル・単一DBを運用したい人
  • Cloudflareエコシステム以外(外部サーバー)から直接SQL接続したい人

5. TiDB Cloud Starter (スリープなし・東京対応のMySQL互換DB)

分散SQLデータベースTiDBのサーバーレス版(旧TiDB Cloud Serverless)です。

強み

PlanetScaleの無料枠廃止以降、無料MySQLの最高峰です。行指向ストレージ5GiBに加え、集計用の列指向ストレージ5GiB(計10GiB/クラスタ)、月間5,000万RUが提供されます。クレジットカード不要、スリープなし、東京リージョン(AWS)対応。上限超過時も停止せず速度制限にとどまります。

注意点

純粋なデータベースであるため、BaaS機能はありません。ORM(Prisma, Drizzle等)との併用が一般的です。

選ばない方がいい人

  • 認証やファイル管理もセットになったBaaSを求めている人
  • PostgreSQL特有の機能(pgvectorの特定拡張など)に依存している人

6. Neon (サーバーレスPostgreSQL・ブランチ機能)

コンピュートとストレージを分離した先進的なサーバーレスPostgreSQLです。

強み

Gitのようにデータベースをブランチ作成できるため、本番データのスナップショットから一瞬で開発環境を作れます。5分で自動スリープしますが、アクセス時の復帰は約350ミリ秒と超高速です。Managed Better Authにより最大6万MAUまで認証も無料で提供されます。

注意点

日本(東京)リージョンがなく、アジア最寄りはシンガポールです。無料枠のコンピュート時間は月間100 CU時間までとなっています。

選ばない方がいい人

  • 日本国内のデータセンター(数ミリ秒台の低遅延)が必須要件の人
  • MySQLやSQLiteを使いたい人

7. Convex (リアルタイム同期リアクティブBaaS)

TypeScriptに特化し、バックエンドとフロントエンドの状態を自動同期する次世代BaaSです。

強み

データベースの変更が自動的にReactコンポーネントへリアルタイム反映されます。APIエンドポイントやfetch処理、キャッシュ無効化のボイラープレートコードが一切不要になります。0.5GBストレージ、認証、ファイル保存、Cronジョブが付属します。

注意点

独自データベースのため標準SQLは使えません。リソース制限(月間1GB Database I/O)はハードキャップであり、上限を超えるとエラーになります。

選ばない方がいい人

  • 標準的なSQLの知識をそのまま活かしたい人
  • 既存のPostgreSQL/MySQLエコシステム(GUIツール等)を使いたい人

8. Appwrite (オープンソースのオールインワンBaaS)

セルフホストが非常に容易なオープンソースの統合バックエンドです。内部DBはMariaDBを採用しています。

強み

Supabaseと同様の全部入り機能を備えつつ、Docker環境があればメモリ2GB程度の安価なVPSでも軽快に動作します。クラウド版の無料プランもあり、7日間非アクティブで停止しますがダッシュボードから即座に再起動できます。

注意点

クラウド版には東京リージョンがありません(シンガポール等)。またクラウドの無料枠はプロジェクト数2つ、関数2つまでに制限されています。

選ばない方がいい人

  • PostgreSQLの高度な機能を使いたい人
  • 完全マネージドの国内リージョンSaaSを無料で使い倒したい人

9. PocketBase (超軽量・1バイナリのセルフホストBaaS)

Go言語で作られた、SQLiteベースの超軽量オープンソースバックエンドです。

強み

実行ファイル1つをサーバーに置いて実行するだけで、DB、認証、ファイル保存、リアルタイムAPI、美しい管理画面が立ち上がります。メモリ消費量は数十MB程度で、無料のクラウドコンピュート枠(Oracle Cloud Free Tier等)でも余裕で常時稼働できます。突然の規約改定やサービス終了に怯える必要がありません。

注意点

マネージドSaaSではないため、サーバー監視、OSアップデート、SSL更新、データバックアップなどのインフラ保守は自己責任となります。

選ばない方がいい人

  • サーバーの保守管理やセキュリティ設定を一切やりたくない人
  • 複数台サーバーでの分散スケーリングを前提としている人

機能と制限の徹底比較マトリクス

主要9サービスのスペック、無料枠仕様、制限事項を一覧表でまとめます。

サービス名種別ベースDB認証・Storage日本リージョンスリープ仕様クレカ登録主な無料枠上限
SupabaseBaaSPostgreSQL認証5万MAU / 保存1GB選択可能1週間放置で停止(復帰遅)不要DB 500MB / 転送 5GB
FirebaseBaaSFirestore (NoSQL)認証標準 / 保存5GB選択可能停止なし(常時稼働)不要保存 1GB / 5万読取/日
TursoDBaaSlibSQL (SQLite)なし(DB特化)選択可能停止なし(コールド0)不要保存 5GB / 5億行読取/月
Cloudflare D1DBaaSSQLiteなし(DB特化)エッジ分散停止なし(エッジ実行)不要保存 5GB / 500万行読取/日
TiDB CloudDBaaSMySQL互換なし(DB特化)選択可能停止なし(超過時制限)不要行5GiB+列5GiB / 5000万RU
NeonDBaaSPostgreSQLBetter Auth (6万MAU)なし(シンガポール等)5分で停止(約350ms復帰)不要DB 0.5GB / 100 CU時間
ConvexBaaS独自リアクティブ認証・保存付属USリージョン推奨停止なし(ハード上限)不要保存 0.5GB / 1GB I/O/月
AppwriteBaaSMariaDB認証・保存付属なし(シンガポール等)7日放置で停止(即時復帰)不要2プロジェクト / 2関数
PocketBaseBaaS (OSS)SQLite認証・保存付属サーバー依存停止なし(常時稼働)なし(OSS)サーバーリソース依存

無料枠が廃止・変更されたサービス(注意点)

以前は無料枠で定番とされていたものの、現在仕様が変わっているサービスもあります。

PlanetScale

MySQL互換のサーバーレスDBとして高い支持を集めていましたが、2024年4月に無料枠(Hobbyプラン)が廃止されました。現在は月額制の有料プランのみとなっています。無料のMySQLを探している場合は、TiDB Cloud Starterが実質的な移行先となります。

Xata

PostgreSQLベースのプラットフォームですが、以前の15GB無料枠は廃止され、現在は14日間の無料トライアル後の従量課金制へと変更されています。恒久的な無料枠は提供されていないため注意してください。

おわりに

個人開発におけるデータベース選びは、「今どれだけ話題か」ではなく「自分のアプリの性質(アクセス頻度、リレーションの複雑さ、認証の有無)に合っているか」で決めるのが最も確実です。

認証や画像保存を含めて最速で形にしたいならSupabase、Gitブランチと連動した快適な開発フローを重視するならNeon、MySQLを使ってスリープなしで常時稼働させたいならTiDB Cloud Starter、そしてエッジで爆速レスポンスを叩きたいならTursoやCloudflare D1がそれぞれ強力な武器になります。

無料枠の制限を味方につけて、コストを最小限に抑えながら最高の個人開発プロダクトを作り上げてください。

参考情報

PocketBase 公式ドキュメント

Supabase 料金プラン公式ページ

Firebase 料金プラン公式ドキュメント

Turso 料金プラン公式ページ

Cloudflare D1 料金・制限公式ドキュメント

TiDB Cloud 料金プラン公式ページ

Neon 料金プラン公式ページ

Convex 料金プラン公式ページ

Appwrite 料金プラン公式ページ