ChatGPT WorkとCodexの違いを徹底比較|エンジニアとビジネスマンが知るべき使い分け

2026年7月9日、OpenAIが「ChatGPT Work」を正式発表しました。ChatGPTがただのチャットツールから、自律的に業務を実行する”AIエージェント”へと進化した瞬間です。

この発表とほぼ同時に、エンジニア向けに注目されてきた「Codex」も新しいデスクトップアプリに統合されました。「ChatGPT WorkとCodexはどう違うのか?」「旧Codexとは別物なのか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、Codexの歴史を振り返りながら、ChatGPT Workとの違い・使い分け・料金・注意点をわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • ChatGPT Workとは何か(発表日・概要・主な機能)
  • Codexの歴史(2021年の旧Codexモデルから現在まで)
  • ChatGPT WorkとCodexの違いと関係性
  • 料金プランとプラン別アクセス状況
  • 使い分けの判断基準と注意点

比較するサービス・ツール

ツール対象ユーザー主なアウトプット
ChatGPT Workビジネスユーザー全般文書・スプレッドシート・プレゼン・Webサイト
Codex(統合モード)エンジニア・開発者コード・バグ修正・テスト・PR
Codex CLI開発者(ターミナル利用)コード・ファイル編集・コマンド実行

まず結論:用途別のおすすめ

ChatGPT WorkとCodexは「ライバル関係」ではなく、同じアプリに存在する「モードの違い」です。

  • ビジネス文書の作成・業務フローの自動化をしたい → ChatGPT Work
  • コードを書く・バグを修正する・PRを作る → Codex(統合モード)
  • ターミナルからローカル環境を直接操作したい → Codex CLI

ChatGPT Workとは

ChatGPT Workは、2026年7月9日にOpenAIが正式発表した「業務遂行型AIエージェント」です。

従来のChatGPTは質問に答えるチャットツールでしたが、ChatGPT Workでは「ゴールを入力すると自律的に調査・分析・成果物生成までを完結させる」エージェントとして動作します。

新しいChatGPTデスクトップアプリ(macOS・Windows)に統合され、「Chat」「Work」「Codex」の3モードを持つアプリとして提供されます。

主な機能

エージェント機能

  • 自律タスク実行:リサーチ → 分析 → 成果物生成を多段階で自動実行
  • Human-in-the-Loop(HITL):進捗をリアルタイムで確認しながら質問・承認ができる
  • @メンション連携:@Slack@GoogleDrive などを指定してコンテキストを取得

成果物の生成

ドキュメント・スプレッドシート・プレゼンテーション・レポート・Webサイト(Sites)を自動生成できます。

外部アプリとの連携

Slack・Microsoft Teams・Google Drive・SharePoint・CRMツール・プロジェクト管理ツール・メール・カレンダーなど、ビジネスで使うツールと接続できます。

スケジュール実行・タスク自動化

一回限りの実行・繰り返しスケジュール・イベントトリガーに対応しています。ユーザーがオフラインの間も継続してタスクを進めることができます。

Codexの歴史を整理する

「Codex」という名前はOpenAIが長年使ってきたブランドですが、2021年の登場から大きく変遷しています。混乱を避けるために、まず歴史を整理します。

第1世代:旧Codexモデル(2021〜2023年)

2021年8月、OpenAIはGPT-3をGitHubの公開コード数十億行でファインチューニングした「コード専用モデル」のCodex APIをリリースしました。GitHub Copilot初期版の核となったモデルです。

しかし2023年3月、GPT-4などの汎用モデルがコーディング能力で上回ったことを理由に、このCodex APIは正式に廃止(deprecated)されました。

この世代のCodexは現在使用できません。

第2世代:Codex CLI・Codexエージェント(2025年〜)

2025年4月16日、Codex CLIがオープンソース(Apache 2.0)でリリースされました。ターミナルから直接ローカルファイルの編集・コマンド実行ができる”ターミナルエージェント”です。

npm install -g @openai/codex

続いて2025年5月16日には、CodexエージェントがChatGPT内に統合されました。SWEエージェント(ソフトウェアエンジニアリングエージェント)として、ChatGPT Pro・Team・Enterprise向けに研究プレビューが開始されました。このときのモデルはcodex-1(o3アーキテクチャのファインチューニング版)でした。

第3世代:統合期(2026年〜)

2026年7月9日のChatGPT Work発表と同時に、旧Codexデスクトップアプリが新しい統合ChatGPTデスクトップアプリに統合されました。

現在は「Chat」「Work」「Codex」の3モードが1つのアプリで使えます。Codex専用スタンドアロンアプリはこの統合アプリへ移行しています。

ChatGPT WorkとCodexの違いを比較する

目的とアウトプットの違い

観点ChatGPT WorkCodex(統合モード)
目的業務成果物の生成・ビジネスワークフロー自動化ソフトウェア開発・コーディング自動化
主なアウトプット文書・スプレッドシート・プレゼン・Webサイトコード・バグ修正・テスト・リポジトリ操作
連携対象Slack・Teams・Drive・SharePoint・CRMVS Code・Cursor・ターミナル・GitHub
対象ユーザービジネスプロフェッショナル全般エンジニア・開発者

共通点

  • 同じChatGPTデスクトップアプリ内の「モード」として提供
  • GPT-5.6ファミリー(Sol・Terra・Luna)を共通モデルとして使用
  • 使用クレジットの消費プールが共通

ターミナルから使うCodex CLIとの違い

Codex CLIは2025年4月以降もオープンソースで提供され続けています。統合デスクトップアプリとは別に、ターミナルから直接ローカルリポジトリを操作したい開発者向けに引き続き提供されます。

Codex CLIには、操作の安全性に応じた3つの動作モードがあります。

モード説明
Suggest変更案を提示し、ユーザーが承認
Auto Editファイル編集を自動実行(コマンド実行は要承認)
Full Autoサンドボックス内で編集・コマンド実行まで完全自動

Codexが使うAIモデルの変遷

時期モデル
2021年Codex(GPT-3ファインチューニング版)
2025年4月(CLI)o3(初期)
2025年5月(エージェント)codex-1(o3アーキテクチャのファインチューニング版)
2026年7月現在GPT-5.6ファミリー(Sol・Terra・Luna)

旧Codexモデル(2021年版)は現在使用できません。現在「Codex」と呼ばれるものは、GPT-5.6ファミリーを使うコーディングエージェントです。

料金プラン・提供状況(2026年7月時点)

ChatGPT Workのプラン別アクセス状況

プランChatGPT Workスケジュール実行
Pro優先アクセス(初日から利用可)対応
Enterprise優先アクセス(初日から利用可)対応
Edu優先アクセス(初日から利用可)対応
Plus数日以内に展開対応
Business(旧Team)数日以内に展開対応
Freeデスクトップアプリからアクセス可(機能制限あり)非対応

ChatGPT PlusはUS$20/月、Businessプランは$25/月(月払い)/$20/月(年払い)です。Enterpriseは個別見積もりとなります。

日本での展開について

Businessプランおよびエンタープライズプランは日本からの利用が可能です(2026年7月時点)。Enterpriseプランでは日本を含む複数地域でデータ保存場所を指定できます。

注意点・制限事項

スケジュール実行は有料プランのみ

タスクのスケジュール実行機能は、無料プランでは利用できません。自動化を活用したい場合は有料プランへの加入が必要です。

外部連携にはOAuth認証が必要

Slack・Google Drive等との連携には、各サービスでのOAuth認証と権限設定が必要です。企業環境での利用では、情報システム部門との調整が必要になる場合があります。

ハルシネーションのリスクは残る

複雑な多段階タスクでも、AIが誤った情報を生成するリスク(ハルシネーション)は依然として存在します。高精度が求められる業務では、Human-in-the-Loop(HITL)機能を活用して人間による確認・承認をはさむ運用が推奨されます。

旧Codex APIは廃止済み

「Codex API」(2021年版・GPT-3ベース)は2023年3月に廃止されています。APIとして直接利用していた場合は、OpenAI APIのGPT-4o等の現行モデルへの移行が必要です。

Codex CLIのAGENTS.mdのセキュリティ

Codex CLIはリポジトリにAGENTS.mdを置くことでエージェントへの指示を永続化できます。ただし、信頼できないリポジトリのAGENTS.mdを実行するとセキュリティリスクがあります。Makefileと同等の注意を払って扱ってください。

ChatGPT WorkとEnterpriseは何が違うか

ChatGPT WorkはEnterpriseと混同されやすいですが、性格が異なります。

観点ChatGPT WorkChatGPT Enterprise
本質機能(エージェントモード)サブスクリプションプラン
目的業務タスクの自律実行・成果物生成組織全体のAI展開・セキュリティ・ガバナンス
対象規模個人〜チームレベル大企業(数百〜数千名規模)
データ学習プランにより異なる学習に使用されないことを保証

ChatGPT WorkはEnterpriseプランでも利用できますが、Enterpriseは組織インフラを提供するプランであり、ChatGPT Workはその上で動く「機能」です。

よくある質問

ChatGPT WorkはCodexに取って代わるのですか?

取って代わるのではなく、役割が分担されました。Workはビジネスユーザー向けの文書生成・業務自動化、Codexはエンジニア向けのコーディング自動化として、同じアプリ内の異なるモードとして共存しています。

旧Codex(2021年版)を今でも使えますか?

使えません。旧CodexモデルのAPIは2023年3月に廃止されています。現在「Codex」として提供されているのは、2025年以降のエージェント機能です。

Codex CLIは有料ですか?

Codex CLI自体はオープンソース(Apache 2.0)で無料で利用できます。ただし、エージェントとしての動作にはOpenAI APIのトークン消費が発生するため、APIの利用料金がかかります。

WebブラウザからCodexモードを使えますか?

2026年7月時点では、Codexモードはデスクトップアプリ(macOS・Windows)専用で、Web版・モバイル版からは利用できません(未確認:今後変更の可能性あり)。

Workモードを使うにはPro以上が必要ですか?

Freeプランでもデスクトップアプリからアクセスできますが、スケジュール実行など一部機能は有料プランのみ対応です。本格的な業務自動化にはPlusまたはBusinessプランが現実的な選択肢です。

まとめ

ChatGPT Workは、2026年7月9日にOpenAIが発表した「業務遂行型AIエージェント」です。文書・スプレッドシート・プレゼンなどの成果物生成や、Slack・Google Drive等との外部連携・スケジュール実行に特化しています。

一方Codexは、2025年以降「コーディングエージェント」として進化を続けており、エンジニア向けのコード生成・バグ修正・PR作成を担っています。

2026年7月の大きな変化は「ライバル登場」ではなく「役割の整理」です。ChatGPT WorkとCodexは同じデスクトップアプリの異なるモードとして統合され、ビジネスユーザーとエンジニアそれぞれが最適なモードを使い分けられるプラットフォームへと進化しました。

用途使うべきモード
業務文書・プレゼン・Webサイトの自動生成ChatGPT Work
Slack・Driveと連携した業務フロー自動化ChatGPT Work
コード生成・バグ修正・PR作成Codex(統合モード)
ローカルリポジトリをターミナルから操作Codex CLI
日常的な質問・情報収集Chat(通常モード)

参考情報