
Google Geminiで自分好みの専用AIアシスタントを作成・カスタマイズできる機能「Gems(ジェム)」について、最近「Gemsが廃止されるのではないか」「終了の通知が出た」という情報を見かけて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
普段から特定の業務やルーチン作業に合わせて独自のGemを作成・活用している方にとっては、突然使えなくなってしまうと日々の作業効率に大きな影響が出てしまいます。
結論からお伝えすると、2026年8月現在、Geminiアプリ内において一部ユーザー向けに「2026年10月20日をもってGemsを終了する」という予告通知が表示されており、機能廃止に向けた動きが進んでいる可能性が極めて高い状況です。
この記事では、Gems廃止に関する事実関係の整理をはじめ、作成したGemの指示文を手元に退避させるバックアップ手順、そして新機能「スキル(Skills)」での具体的な再作成手順や他社ツールを含む代替手段について分かりやすく解説します。
この記事でわかること
1. Geminiの「Gems廃止(2026年10月20日)」は本当か?
Geminiの画面上に突然終了予告が表示されたことで、SNSやコミュニティを中心に大きな話題となっています。まずは現在判明している事実を整理します。
アプリ内通知で確認されたメッセージ
2026年8月以降、GeminiのWeb版やモバイルアプリにおいて、一部のユーザーに対して以下のような通知バナーが表示されていることが確認されています。
- 表示内容の概要: Gems are retiring October 20. Save your Gem content or recreate them as skills to keep your workflows running.(Gemsは10月20日に終了します。ワークフローを維持するために、Gemのコンテンツを保存するか、スキルとして再作成してください)
このように、期日(2026年10月20日)とともに、指示内容の保存や新機能「スキル(Skills)」への再作成を促す文言が直接明記されています。
なぜ廃止されるのか?新機能「スキル(Skills)」への統合
GoogleがGemsの提供を終了する大きな背景として、Gemini全体の機能体系が「単純なチャットボット」から「自律的に作業をこなすAIエージェント(Gemini Sparkなど)」へとシフトしている点が挙げられます。
これまでGemsは「特定の口調や前提知識を与えたカスタムチャット」としての役割を担っていましたが、今後はより実践的なツール呼び出しや手順実行を行える「スキル(Skills)」機能へと再編・統合される見込みです。
公式発表のステータス
2026年8月時点では、Googleから全ユーザー向けの一斉プレスリリースや大々的なブログ発表はまだ行われていません。
しかし、アプリ内通知が実際に配信されていることや、アプリ内部のコード解析からも移行用の文言が確認されていることから、テストや順次ロールアウトを経て正式なアナウンスが行われる可能性が非常に高いと見られています。
2. 【最優先】今すぐやるべきGemsの指示文バックアップ手順
Gems機能が終了する前に、必ずやっておくべきなのが「作成したGemの設定内容の手動バックアップ」です。
現時点では、Gemsから新しいスキル機能や外部ツールへ自動的に設定を引き継ぐ移行ツールは提供されていません。期日を迎えてGemが削除されてしまうと、試行錯誤して作り込んだプロンプトや設定が失われてしまう恐れがあります。
以下の手順で、作成したGemのカスタム指示を手元に保存しておきましょう。
手順1:Geminiを開き「Gem マネージャー」にアクセスする
ブラウザでGeminiを開き、画面左側のサイドメニューから「Gem マネージャー」(または「Gems」一覧)をクリックします。
手順2:作成したGemの「編集」画面を開く
自身が作成したGemの一覧が表示されたら、バックアップしたいGemの右側にある「編集(鉛筆アイコン)」またはメニューを選択します。
手順3:設定内容をテキストファイルにコピーして保存する
編集画面が開いたら、以下の項目をコピーし、メモ帳やNotion、Googleドキュメントなどのテキストファイルに貼り付けて保存します。
- Gemの名前と役割
- 「カスタム指示(Instructions)」の全文(最重要)
- 参照させているナレッジファイル名や設定内容
複数のGemを運用している場合は、Gemごとに1つのテキストファイルを作成し、フォルダにまとめて保管しておくのがおすすめです。
3. Gems廃止後の代替・移行先 4つの選択肢
手元に指示文をバックアップできれば、別の環境で同等のカスタムAI環境を再現することができます。用途や作業スタイルに合わせて、以下の選択肢から最適な方法を選びましょう。
代替1:Geminiの新機能「スキル(Skills)」で再作成する(公式推奨)
Google公式が案内している移行先が、新しい「スキル(Skills)」機能への再作成です。
スキル機能は、特定のタスクや処理手順をAIに指示できる仕組みとなっており、Geminiのエコシステム内で引き続き作業を行いたい方に最も適しています。
スキルを作成・設定する具体的な手順は以下のとおりです。
手順1:Gemini画面で「Spark」タブを開き「スキル」メニューを選択する
Geminiの画面左側上部にあるタブから「Spark(AIエージェント機能)」を選択し、展開されたサイドバーメニューの中から「スキル」をクリックします。
手順2:「スキルを作成」を選択する
スキル一覧画面が表示されたら、「スキルを作成」(または新規作成ボタン)をクリックします。
手順3:スキルの基本情報を入力する
設定フォームが開いたら、以下の内容を入力します。
- スキル名: 呼び出しやすい名前を設定します(例: 記事校正アシスタント、SQL生成など)
- 説明: どのような処理を行うスキルかの概要を記載します
手順4:バックアップしたカスタム指示を貼り付ける
「カスタム指示(プロンプト)」の入力欄に、先ほどGemsからバックアップした指示文を貼り付けます。
必要に応じて、参照させたいナレッジファイルや背景データもアップロードします。
手順5:テスト実行して保存する
プレビュー画面で実際にメッセージを送信して意図どおりに動作するか確認し、問題がなければ「保存」をクリックして完了です。
作成したスキルは、チャット入力欄でスラッシュコマンド(例: /記事校正)を入力して呼び出したり、関連するタスクの実行時に自動で適用させることができます。
注意点として、Skills機能は現在Gemini Spark等のエージェント環境(Google AI Proなどの有料プラン先行)を中心に展開されているため、無料プランでの提供状況やUI配置は順次更新される公式ヘルプを確認してください。
代替2:Google AI Studio(System Instructions)を活用する
Googleが開発者向けに提供している「Google AI Studio」を利用する方法です。
Google AI Studioでは、Web画面上の「System Instructions(システム指示)」欄にプロンプトを入力することで、常にその指示に従って応答するGeminiモデル環境を簡単に作成・保存できます。
- 利用料金: 無料枠が非常に大きく、一般的なチャット利用であれば完全無料で利用可能
- メリット: 最新のGemini Pro/Flashモデルを直接選択でき、温度パラメータや安全設定なども細かく調整できる
- 注意点: 開発者向け画面のため英語表記が中心で、通常のGeminiアプリに比べてUIがシンプル
代替3:他社カスタムAI(ChatGPT「GPTs」やClaude「Projects」)へ移行する
普段からChatGPTやClaudeも併用している場合、各サービスのカスタム機能へプロンプトを移植するのも有力な選択肢です。
- ChatGPT「GPTs」: ChatGPT Plus等の有料プランで利用可能な専用ボット作成機能です。ファイルの事前読み込み(ナレッジ)や外部API連携、Webブラウジングなど、Gems以上の高度なカスタマイズが可能です。
- Claude「Projects」: Claudeのプロジェクト管理機能です。2026年に無料プランでも利用可能となり(作成数や利用量に上限あり、Proプランで無制限)、長大なドキュメントやコードベースをナレッジとして登録して一貫した前提知識のもとで対話できます。
代替4:スニペットツール・辞書登録で通常チャットに呼び出す
専用のカスタムAI機能を使わず、通常のチャット画面の冒頭に指示文を挿入して運用する軽量なアプローチです。
Raycast(Windows/Mac)やClipy、OSの単語登録機能(辞書登録)を利用して、例えば「;prompt-review」と入力すると「あなたは優秀なテクニカルライターです。以下の文章を校正してください…」といった定型プロンプトが一瞬で展開されるように設定します。
- メリット: サービス側の仕様変更や機能廃止に左右されず、どんなAIチャットツールでも共通して使える
- デメリット: 長文プロンプトを毎回送信するため、チャット開始時の入力欄が少し長くなる
4. 各代替ツールの特徴・機能比較表
どの代替手段を選ぶべきか迷った場合は、以下の比較表を参考にしてください。
| 移行先ツール | ベースAIモデル | 主な利用料金 | ファイル参照(ナレッジ) | 特徴・おすすめな人 |
|---|---|---|---|---|
| Gemini スキル (Skills) | Gemini | Google AI Pro等で先行提供(順次展開) | 対応 | Geminiアプリ上でそのまま作業を継続したい人 |
| Google AI Studio | Gemini (Pro / Flash) | 無料(API枠内) | あり(Drive/ファイル) | コストをかけず最新のGeminiモデルをカスタムしたい人 |
| ChatGPT「GPTs」 | GPT-4o / o1等 | 有料 (Plus/Team等) | あり | 高度なアクションやWeb検索、データ分析を組み合わせたい人 |
| Claude「Projects」 | Claude 3.5 Sonnet等 | 無料あり(Proで無制限) | あり(大容量) | 長文テキストの要約やコード分析、高精度な文章作成を重視する人 |
| スニペット呼び出し | 任意のAIモデル | 無料 | なし(都度貼り付け) | ツールの廃止に振り回されず手軽にプロンプトを使い回したい人 |
5. よくある質問(FAQ)
Q1. 作成したGemは2026年10月20日を過ぎるとどうなりますか?
A. アプリ内の通知どおりに廃止が実施された場合、10月20日以降はGemマネージャーやチャット一覧からアクセスできなくなる可能性が高いです。期日前に必ずプロンプトのバックアップを完了させておくことを強くおすすめします。
Q2. 既存のGemは自動的に「スキル」へ移行されますか?
A. 現時点では自動変換やデータ移行の仕組みはアナウンスされていません。通知内でも「recreate them as skills(スキルとして再作成してください)」と記載されているため、手動で新しい機能へ指示文を再登録する準備が必要です。
Q3. Gemsの作成に使ったカスタム指示はどこで確認できますか?
A. Geminiの左メニューにある「Gem マネージャー」から該当のGemを選択し、「編集」をクリックすることで、設定した指示文全文を確認・コピーできます。
6. まとめ
Geminiの「Gems」機能は、2026年10月20日をもって提供終了となる可能性が極めて高く、今後は新機能「スキル(Skills)」への統合が進む見込みです。
突然のサービス変更に慌てないために、まずは以下の2点からすぐに行動を起こしましょう。
AIサービスは機能のアップデートや再編が頻繁に行われます。大切なプロンプトや業務資産は手元で一元管理し、どのような仕様変更にも柔軟に対応できるように備えておきましょう。
