【初心者向け】Ubuntuでまず覚える基本コマンド一覧&チートシート

UbuntuをインストールしてデスクトップやWSL2の環境が整ったあと、多くの初学者が最初に直面するのが「黒い画面(ターミナル)で何をどう入力すればいいかわからない」という壁ではないでしょうか。

WindowsやMacのGUI操作(マウス操作)に慣れていると、コマンドラインでのファイル作成やディレクトリ移動、権限の変更などは難解に感じられがちです。しかし、日常の実務や個人開発で頻出するコマンドは、実は20個程度に絞られます。

この記事では、Ubuntu初心者が最初に押さえておくべき基本ルールから、ファイル操作、検索、権限変更、システム管理、パッケージ管理まで、現場で本当に使うコマンドを用途別に分かりやすく解説します。

記事の最後には、日常作業中にサッと見返せる「用途別逆引きチートシート早見表」も掲載していますので、ぜひブックマークして辞書代わりに活用してください。

  1. 1. ターミナル操作で知っておくべき4つの基本ルール
    1. ルール1:カレントディレクトリとパスの記号
    2. ルール2:Tabキーによる強力な自動補完
    3. ルール3:処理の中断と画面クリア
    4. ルール4:管理者権限「sudo」の役割
  2. 2. ファイル・ディレクトリ操作の基本コマンド
    1. 現在地を確認する(pwd)
    2. ファイルやフォルダの一覧を表示する(ls)
    3. ディレクトリを移動する(cd)
    4. ディレクトリを新規作成する(mkdir)
    5. ファイルやディレクトリをコピーする(cp)
    6. ファイルの移動・リネーム(mv)
    7. ファイルやディレクトリの削除(rm)
  3. 3. ファイル内容の確認・検索コマンド
    1. ファイルの中身を全画面表示する(cat)
    2. 長いファイルを1画面ずつ閲覧する(less)
    3. ファイルの先頭・末尾を確認する(head / tail)
    4. ファイル内の文字列を検索する(grep)
    5. ファイルやディレクトリを探す(find)
  4. 4. 権限・ユーザー管理の基本コマンド
    1. ファイルのアクセス権を変更する(chmod)
    2. ファイルの所有者を変更する(chown)
  5. 5. システム状態の確認・サービス管理
    1. ディスクの空き容量を確認する(df)
    2. メモリの使用状況を確認する(free)
    3. 稼働中のプロセスとCPU負荷を確認する(top / htop)
    4. サービスの起動・停止・自動起動設定(systemctl)
    5. サービスの実行ログを確認する(journalctl)
  6. 6. パッケージ管理(APT)の基本操作
    1. パッケージリストの更新(apt update)
    2. インストール済みソフトの一括更新(apt upgrade)
    3. 新しいソフトウェアのインストール(apt install)
    4. 不要になったソフトウェアの削除(apt remove / autoremove)
  7. 7. 用途別逆引きチートシート早見表
  8. 8. まとめ:まずは頻出コマンドから慣れていこう
  9. 次に読むおすすめ記事
  10. 参考情報

1. ターミナル操作で知っておくべき4つの基本ルール

コマンドを覚える前に、Ubuntuのターミナルを操作する上での大原則を4つ押さえておきましょう。これを知っておくだけで、操作効率が何倍にも上がり、入力ミスも激減します。

ルール1:カレントディレクトリとパスの記号

ターミナルでは、常に「自分が今どのフォルダ(ディレクトリ)にいるか」が重要になります。これをカレントディレクトリと呼びます。パス(場所)を指定する際、以下の特殊な記号を頻繁に使います。

  • ~(チルダ):ログインしているユーザーのホームディレクトリ(/home/ユーザー名/)を表します。
  • .(ドット1つ):現在のディレクトリ(カレントディレクトリ)を表します。
  • ..(ドット2つ):1つ上の親ディレクトリを表します。
  • /(スラッシュ):Linuxファイルシステムの最上位である「ルートディレクトリ」を表します。

ルール2:Tabキーによる強力な自動補完

ディレクトリ名やファイル名、コマンド名をすべて手入力する必要はありません。途中まで文字を入力してTabキーを押すと、残りの文字列が自動的に補完されます。

候補が複数ある場合は、Tabキーを2回素早く押すと一覧が表示されます。打ち間違い(タイポ)を完全に防げるため、Tabキー補完を使う癖をつけておくのがおすすめです。

ルール3:処理の中断と画面クリア

コマンドの実行が止まらなくなったり、入力をやり直したくなった場合は、以下のショートカットを使います。

  • Ctrl + C:実行中のコマンドを強制的に中断・停止します。
  • clear または Ctrl + L:ターミナル画面の文字をクリアして一番上に戻します。

ルール4:管理者権限「sudo」の役割

Linuxでは、セキュリティを保つために一般ユーザーがシステム全体の重要な設定やファイルを勝手に書き換えられないようになっています。

システム全体の更新や新しいソフトウェアのインストールなど、管理者(root)権限が必要な操作を行うときは、コマンドの先頭に sudo を付けて実行します。実行時には自分のログインパスワードを求められます(入力中の文字や伏字は画面に表示されませんが、正しく入力してEnterキーを押せば進みます)。

2. ファイル・ディレクトリ操作の基本コマンド

日常の開発で最もよく使う、フォルダ作成、移動、一覧表示、ファイル操作のコマンドです。

現在地を確認する(pwd)

自分が今どのディレクトリにいるか、ルートからの絶対パスを表示します。

pwd

出力例: /home/ubuntu

ファイルやフォルダの一覧を表示する(ls)

カレントディレクトリにあるファイルやフォルダを一覧表示します。

ls

実務では、詳細情報(権限・サイズ・更新日時)や隠しファイル(ドットから始まるファイル)も確認できる -la オプションを常用するのが一般的です。

ls -la

ディレクトリを移動する(cd)

指定したディレクトリへ移動します。

# 「myproject」ディレクトリに移動
cd myproject

# 1つ上の親ディレクトリに移動
cd ..

# どこからでもホームディレクトリに一発で戻る
cd ~

# 直前にいたディレクトリに戻る
cd -

ディレクトリを新規作成する(mkdir)

新しいディレクトリを作成します。

# 「test-folder」ディレクトリを作成
mkdir test-folder

# 親ディレクトリも含めて階層ごと一括作成する(-pオプション)
mkdir -p project/src/components

-p オプションを付けると、途中のディレクトリが存在しなくてもまとめて一気に作成できるため非常に便利です。

ファイルやディレクトリをコピーする(cp)

ファイルやディレクトリを複製します。

# 「sample.txt」を「sample_backup.txt」にコピー
cp sample.txt sample_backup.txt

# ディレクトリを中身ごと再帰的にコピーする(-rオプション)
cp -r folder1 folder2

ディレクトリをコピーする場合は、必ず -r(recursive:再帰的)オプションを付ける必要があります。

ファイルの移動・リネーム(mv)

ファイルの場所を移動させたり、ファイル名を変更(リネーム)したりするコマンドです。

# 「file.txt」の名前を「renamed.txt」に変更
mv file.txt renamed.txt

# 「renamed.txt」を「documents/」フォルダ内に移動
mv renamed.txt documents/

ファイルやディレクトリの削除(rm)

不要になったファイルやディレクトリを削除します。

# ファイルを削除
rm sample.txt

# ディレクトリを中身ごと完全に削除(-rfオプション)
rm -rf test-folder

Linuxの rm コマンドで削除したファイルは、Windowsの「ごみ箱」には入らず、復元が極めて困難です。特に sudo rm -rf を実行する際は、削除対象のパスを慎重に確認してください。

3. ファイル内容の確認・検索コマンド

設定ファイルやログファイルの中身を確認したり、特定のキーワードを検索したりするコマンドです。

ファイルの中身を全画面表示する(cat)

ファイルの内容をターミナル上にすべて出力します。短いファイルを確認するのに適しています。

cat /etc/os-release

長いファイルを1画面ずつ閲覧する(less)

数十行〜数百行を超える長いファイルを閲覧する際に使います。スペースキーでページ送り、上下矢印キーで1行ずつ移動し、q キーで閲覧を終了します。

less /var/log/syslog

ファイルの先頭・末尾を確認する(head / tail)

ファイルの最初または最後の数行だけを確認したいときに使います。

# 先頭の10行を表示
head -n 10 sample.log

# 末尾の10行を表示
tail -n 10 sample.log

# ログファイルの追記をリアルタイム監視する(-fオプション)
tail -f sample.log

tail -f は、Webサーバーやアプリケーションがリアルタイムに出力するログを流し見する実務の現場で必須のオプションです(終了は Ctrl + C)。

ファイル内の文字列を検索する(grep)

指定したテキストやファイル群の中から、特定の文字列が含まれる行を抽出します。

# 「sample.txt」から「error」という単語を含む行を検索
grep "error" sample.txt

# 大文字・小文字を無視して検索(-iオプション)
grep -i "error" sample.txt

# フォルダ配下の全ファイルを再帰的に検索し、行番号も表示(-rnオプション)
grep -rn "API_KEY" ./src/

ファイルやディレクトリを探す(find)

ファイル名や種類を指定して、システム内からファイルを探し出します。

# カレントディレクトリ配下から「.conf」で終わるファイルを検索
find . -name "*.conf"

4. 権限・ユーザー管理の基本コマンド

Linux環境では、スクリプトを実行したり共有フォルダを設定したりする際に、ファイルパーミッション(アクセス権)の調整が必要になります。

ファイルのアクセス権を変更する(chmod)

ファイルやディレクトリに対して、読み取り(r)・書き込み(w)・実行(x)の権限を設定します。

# シェルスクリプトに実行権限を付与する
chmod +x script.sh

# 所有者のみ読み書き可能(SSHの秘密鍵などで必須の設定)
chmod 600 id_ed25519

# 一般的なファイル権限(所有者は読み書き、その他は読み取りのみ)
chmod 644 config.json

ファイルの所有者を変更する(chown)

ファイルの所有ユーザーや所有グループを変更します。Webサーバー構築時などに管理者権限で実行します。

# 「data/」配下の全ファイルの所有者を「www-data」に変更
sudo chown -R www-data:www-data data/

5. システム状態の確認・サービス管理

PCやサーバーが重いとき、空き容量が不足したとき、またはWebサーバーなどのサービスを管理するときに使うコマンドです。

ディスクの空き容量を確認する(df)

ハードディスクやSSDの空き容量を、人間が読みやすい単位(GB、MB)で表示します。

df -h

メモリの使用状況を確認する(free)

搭載メモリの総量、使用量、空き容量を表示します。

free -h

稼働中のプロセスとCPU負荷を確認する(top / htop)

現在どのプロセスがCPUやメモリを消費しているかをリアルタイムで監視します。終了は q キーです。

top

Ubuntuでは、より見やすい htop を追加インストールして使うことも一般的です。

sudo apt install -y htop
htop

サービスの起動・停止・自動起動設定(systemctl)

SSHサーバー、Samba、Docker、Nginxなどの常駐サービス(デーモン)の状態を確認・制御します。

# サービスの状態を確認(例:ssh)
systemctl status ssh

# サービスを起動
sudo systemctl start ssh

# サービスを停止
sudo systemctl stop ssh

# サービスを再起動(設定変更の反映など)
sudo systemctl restart ssh

# OS起動時に自動で立ち上がるように有効化
sudo systemctl enable ssh

サービスの実行ログを確認する(journalctl)

サービスが正常に起動しないときやエラー内容を調査するときに、システムのログを確認します。

# 特定のサービス(例:ssh)のログを確認
journalctl -u ssh -n 50

# サービスのログをリアルタイムで追跡監視
journalctl -u ssh -f

6. パッケージ管理(APT)の基本操作

Ubuntuで新しいソフトウェアを導入したり、OS全体を最新状態に保つための基本手順です。

パッケージリストの更新(apt update)

リポジトリ(配布元サーバー)から、最新のパッケージ一覧情報を取得します。インストールされているソフト自体の更新ではなく、「何が新しくなっているかのカタログを更新する」操作です。

sudo apt update

インストール済みソフトの一括更新(apt upgrade)

apt update で取得したカタログをもとに、実際にPC内のソフトウェアを最新版へアップデートします。

sudo apt upgrade -y

新しいソフトウェアのインストール(apt install)

指定したツールやライブラリを新しくインストールします。

# 例:Gitとcurlをインストール
sudo apt install -y git curl

不要になったソフトウェアの削除(apt remove / autoremove)

使用しなくなったソフトウェアをアンインストールします。

# 指定したパッケージを削除
sudo apt remove [パッケージ名]

# 依存関係で不要になったパッケージをまとめて自動クリーンアップ
sudo apt autoremove -y

7. 用途別逆引きチートシート早見表

日常の開発で「あのコマンド何だっけ?」となったときにサッと確認できる一覧表です。

用途コマンド主なオプション・使用例
現在位置の確認pwdpwd
一覧表示lsls -la(隠しファイル・詳細表示)
ディレクトリ移動cdcd ~(ホームへ), cd ..(1つ上へ)
フォルダ作成mkdirmkdir -p dir/sub(階層一括作成)
コピーcpcp -r src/ dst/(ディレクトリごと)
移動・リネームmvmv old.txt new.txt
削除rmrm -rf dir/(ディレクトリ強制削除)
ファイル全文表示catcat file.txt
1画面ずつ閲覧lessless file.txtqで終了)
末尾ログ監視tailtail -f app.log
文字列検索grepgrep -rn "text" ./
ファイル検索findfind . -name "*.txt"
権限変更chmodchmod +x run.shchmod 600 id_rsa
所有者変更chownsudo chown -R user:group dir/
ディスク容量確認dfdf -h
メモリ使用量確認freefree -h
プロセス負荷監視top / htoptopqで終了)
サービス管理systemctlsystemctl status サービス名
サービスログ確認journalctljournalctl -u サービス名 -f
カタログ更新apt updatesudo apt update
ソフト一括更新apt upgradesudo apt upgrade -y
ソフト導入apt installsudo apt install -y パッケージ名

8. まとめ:まずは頻出コマンドから慣れていこう

Linuxのターミナル操作は、最初は覚えることが多く感じられるかもしれませんが、実際に日常業務で頻繁に叩くコマンドは今回ご紹介した20個程度です。

無理に一度にすべてを暗記しようとせず、まずは「ls -la でファイルを確認し、cd で移動し、mkdir でフォルダを作る」といった基本的なファイル操作から少しずつ指に馴染ませていきましょう。

コマンド操作に慣れてくると、GUIのマウス操作よりもはるかに高速かつ自動化しやすいLinux本来の快適さを実感できるようになります。

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