無料のサイバーセキュリティ特別相談窓口でペネトレーションテストは受けられる?

2026年10月27日、赤澤亮正経済産業大臣(赤沢経産相)の記者会見において、中小企業や小規模事業者を対象とした無料の「サイバーセキュリティ特別相談窓口」を同日より全国に設置することが発表されました。

この発表と前後して、会見内では「ペネトレーションテスト」や、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)内に新設される専門チーム(報道では「ホワイトハッカー」「オフ・ホワイトハッカー」などと言及)というキーワードが登場し、大きな関心を集めています。

まず結論からお伝えすると、今回設置された「サイバーセキュリティ特別相談窓口」は、中小企業などのセキュリティに関する悩みを相談するための窓口です。窓口でペネトレーションテスト(模擬侵入テスト)を無料で実施してもらえると案内されているわけではありません。

今回の政府の取り組みでは、IPAの人材と高性能AIを活用して模擬攻撃で脆弱性を検証する先手防御の施策と、中小企業向けの相談窓口の設置という2つの施策が示されています。両者は目的や役割が異なる別の施策です。

この記事では、記者会見で発表された施策の正確な背景を整理したうえで、ペネトレーションテストと脆弱性診断の違い、無料相談窓口で確認できる支援の範囲、そして中小企業が優先して確認すべき現実的なセキュリティ対策について詳しく解説します。

  1. この記事でわかること
  2. 前提条件・対象読者
  3. 1. 赤沢経産相の記者会見で何が発表されたのか?
    1. 10月27日発表:中小企業向け「サイバーセキュリティ特別相談窓口」の設置
    2. 10月23日発表:高性能AIを活用したペネトレーションテストと専門チーム新設
    3. 2つの発表の関係性
  4. 2. そもそも「ペネトレーションテスト(侵入テスト)」とは?
    1. ペネトレーションテストと「脆弱性診断」の違い
    2. 会見でAI活用や専門チームが言及された理由
  5. 3. 疑問解消:無料の特別相談窓口でペネトレーションテストは受けられるのか?
    1. 結論:無料相談窓口でペネトレーションテストを無料で受けられると発表されたわけではない
    2. 無料のサイバーセキュリティ特別相談窓口で相談できること
  6. 4. 中小企業・Web担当者はペネトレーションテストをやるべきか?
    1. 一般的な中小企業は、基本対策を確認したうえで必要性を判断する
    2. 中小企業が確認したい現実的なセキュリティ対策ステップ
      1. Step 1:基本のIT管理の徹底
      2. Step 2:無料自社診断ツールの活用
      3. Step 3:無料相談窓口の活用とSECURITY ACTIONの検討
      4. Step 4:中小企業向けセキュリティ支援サービスの検討
      5. Step 5:脆弱性診断・ペネトレーションテストの検討
  7. 5. 無料の「サイバーセキュリティ特別相談窓口」の連絡先と相談先
    1. 窓口1:各都道府県の「よろず支援拠点」
    2. 窓口2:中小機構「IT経営サポートセンター」
    3. 相談をスムーズに進めるための準備
  8. 6. よくある質問(FAQ)
    1. Q1:ペネトレーションテストを実施するとシステムに障害が発生するリスクはありますか?
    2. Q2:無料相談窓口を利用すると、特定のセキュリティ製品を売り込まれることはありますか?
    3. Q3:自社のホームページが安全かどうか、自分で無料で調べる方法はありますか?
  9. 7. まとめ:自社の状況に合わせた適切なステップを踏もう
  10. 次に読むおすすめ記事
  11. 参考情報

この記事でわかること

  • 赤澤経産相の記者会見で発表された2つの施策(特別相談窓口の開設とIPA専門チームによる模擬攻撃検証)の背景
  • ペネトレーションテスト(侵入テスト)と「脆弱性診断」の目的やアプローチの違い
  • 無料のサイバーセキュリティ特別相談窓口で案内されている支援の範囲と確認すべきポイント
  • 相談先(各都道府県のよろず支援拠点、中小機構IT経営サポートセンター)ごとの特徴
  • 一般的な中小企業がペネトレーションテストの必要性を判断する前に確認すべき基本対策
  • 公的機関の公式情報ソースおよび問い合わせ先

前提条件・対象読者

  • 基準情報:経済産業省 閣議後記者会見(2026年10月23日および10月27日公表内容)、首相官邸「サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議」(2026年10月26日)、中小企業庁、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
  • 最終確認日:2026年10月27日
  • 対象読者:中小企業・小規模事業者の経営者、社内のIT・Webサイト管理を担当している方、ニュースで特別相談窓口やペネトレーションテストに関心を持ったビジネスパーソン
  • 本記事は公的機関の一次情報に基づき、専門知識がない方でも制度の実態と自社の対策を客観的に判断できるように整理しています。

1. 赤沢経産相の記者会見で何が発表されたのか?

まずは、2026年10月下旬に経済産業省から発表されたサイバーセキュリティ関連施策の事実関係を整理します。今回の動きは、脆弱性検証の強化と、中小企業への相談支援という、異なる側面からの取り組みで構成されています。

10月27日発表:中小企業向け「サイバーセキュリティ特別相談窓口」の設置

2026年10月26日に開催された政府の「サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議」において、中小企業や小規模事業者に対する相談窓口の拡充や情報提供の指示が出されました。

これを受け、翌10月27日の記者会見で赤澤経産相が発表したのが、無料の「サイバーセキュリティ特別相談窓口」の即日設置です。

企業へのサイバー攻撃や情報漏えい被害が相次ぐ中、「何から対策すればよいかわからない」「自社のセキュリティに不安がある」といった声に応えるため、各都道府県の「よろず支援拠点」および中小機構の「IT経営サポートセンター」に相談窓口が開設されました。あわせて、商工団体や金融機関などとも連携した情報提供が進められています。

10月23日発表:高性能AIを活用したペネトレーションテストと専門チーム新設

特別相談窓口の設置に先立ち、2026年10月23日の閣議後記者会見では、技術的な検証体制に関する発表が行われていました。

サイバー攻撃者がAIを悪用して広範なシステムの脆弱性を探索している可能性が指摘される中、防御側も高性能AIを活用し、模擬的な攻撃によってシステムの弱点を確かめる「ペネトレーションテスト」を実施・強化していく方針が示されました。

さらに、攻撃者の視点に立って脆弱性を発見するトップガン人材を集めた専門チームを、2026年11月中にIPA(情報処理推進機構)内に立ち上げるよう指示したと発表されています。

報道機関によってはこのチームの人材を「ホワイトハッカー」あるいは「オフ・ホワイトハッカー」と表現しています。10月27日の会見でも、この取り組みは相手への反撃を行う能動的サイバー防御ではなく、あくまで模擬攻撃を通じて産業界の守りを固めるものであると説明されました。

2つの発表の関係性

これらの発表は、政府による脆弱性検証の強化と、中小企業がセキュリティ対策を進めるための相談支援の拡充という、異なる側面からの取り組みです。いずれも、企業へのサイバー攻撃による被害を減らすことを目指しています。

取引先である中小企業を踏み台にして大企業や重要システムへ侵入を図るサプライチェーン攻撃のリスクが高まる中、高度な検証体制の構築と、地域・中小企業の底上げ支援が並行して進められています。

2. そもそも「ペネトレーションテスト(侵入テスト)」とは?

会見で言及された「ペネトレーションテスト(Penetration Testing)」とは、どのような検証手法なのでしょうか。

ペネトレーションテストとは、悪意を持つ攻撃者の視点や技術を用い、実際に自社のネットワーク、Webアプリケーション、社内サーバーなどに対して模擬攻撃を行い、侵入や権限奪取などの攻撃シナリオがどこまで成立するかを検証する手法です。日本語では「侵入テスト」「ペンテスト」とも呼ばれます。

机上のリスク分析や設定確認だけでなく、実際の攻撃手順を試すことで、「外部から重要サーバーへ到達できてしまうか」「機密情報の持ち出しが可能か」といった具体的な影響を実証します。

ペネトレーションテストと「脆弱性診断」の違い

システムの安全性を検査する代表的な手法として「脆弱性診断(セキュリティ診断)」と「ペネトレーションテスト」があります。両者は補完関係にあり、目的やアプローチによって使い分けられます。

比較項目脆弱性診断ペネトレーションテスト
主な目的設定された検査範囲の中で、既知の脆弱性や設定上の不備などを発見する想定する攻撃シナリオがどこまで成立するかを検証する
アプローチ自動スキャンツールと手動検査を組み合わせて検査攻撃シナリオに沿って、侵入や権限昇格などを実践的に試みる
検証結果発見された脆弱性のリスト、深刻度、修正手順など攻撃の成立可否、到達できた範囲、想定される影響度など
主な役割弱点を発見し、事前に修正する弱点が悪用された場合の実際の影響度を実証する

脆弱性診断は、設定された検査範囲の中で、既知の脆弱性や設定上の不備などを発見することを主な目的とします。一方、ペネトレーションテストは、具体的な攻撃シナリオに基づいて、侵入や権限昇格などがどこまで成立するかを検証する手法です。いずれも検査範囲や手法によって確認できる内容は異なり、両者は補完関係にあります。

なお、検査の費用や期間は、対象システムの規模、検査対象のIP数や画面数、手動検証の有無、実施期間などによって大きく異なります。小規模なWebサイトの診断と、複数の社内ネットワークを横断するペネトレーションテストでは必要な工数が異なるため、実施にあたっては複数の事業者に見積もりを依頼して比較検討することが一般的です。

会見でAI活用や専門チームが言及された理由

近年は、攻撃者がAIを利用して脆弱性の調査や攻撃手法の検討を効率化する可能性が指摘されています。攻撃者が網羅的・高速に弱点を探索してくる場合、防御側も人間の手作業だけに頼るのではなく、AIなどの先進技術を活用して脆弱性の発見と修正を迅速に進めることが重要となります。

会見で言及されたIPAの専門チーム立ち上げは、攻撃者の手法や発想を深く理解した技術者を集め、AIも活用しながら先回りしてシステムの安全性を検証・向上させていくことを目的とした施策です。

なお、「オフホワイトハッカー」は公式の資格名や標準的な職種名ではなく、一部の会見・報道において「攻撃者の視点も取り入れて防御を成功させる人材」というニュアンスで用いられた表現です。本質としては、高い技術力をもってシステムの防御と検証を担うホワイトハッカーの取り組みと理解するとよいでしょう。

3. 疑問解消:無料の特別相談窓口でペネトレーションテストは受けられるのか?

ニュースを見て最も多くの方が疑問に感じるのが、「国が開設した無料のサイバーセキュリティ特別相談窓口に連絡すれば、自社のシステムにも無料でペネトレーションテストをやってもらえるのか?」という点です。

結論:無料相談窓口でペネトレーションテストを無料で受けられると発表されたわけではない

結論からいうと、今回設置された「サイバーセキュリティ特別相談窓口」は、中小企業などのセキュリティに関する悩みを相談するための窓口です。窓口でペネトレーションテストを無料で実施してもらえると案内されているわけではありません。

ペネトレーションテストは、対象システムの所有者による明示的な許諾のもと、影響範囲を厳格に管理しながら実施する専門的な検証役務です。

今回発表されたIPAの専門チームによる取り組みと、中小企業向けの無料相談窓口は、目的や役割が異なります。自社のシステムが今後の検証事業や支援制度の対象となる可能性があるか、自社が利用できる支援策があるのかについては、窓口に確認するのが確実です。

「無料で相談できること」と「専門家による侵入テストを無料で受けられること」は、分けて考える必要があります。

無料のサイバーセキュリティ特別相談窓口で相談できること

相談窓口では、情報セキュリティ対策の進め方や、自社の状況に応じた対策の優先順位などについて相談できます。

相談内容や対応範囲は窓口によって異なりますが、一般的には、次のような事項について相談できる可能性があります。具体的な支援内容については、各窓口に確認してください。

  • 自社の現状に応じた対策の助言:自社で利用しているPC、ネットワーク、クラウドサービスなどの状況に応じて、どのようなリスクがあり、何から手を付けるべきかのアドバイスを受けられます。
  • 社内の基本的なルールづくりや管理体制の相談:パスワード管理、多要素認証の設定方針、従業員向けの注意喚起などについて相談できます。
  • 公的支援策や補助金に関する案内:セキュリティ対策に活用できる支援事業や、関連する補助金制度の情報について相談できます。ただし、対象となるサービスや申請条件は制度の公募要領によって異なるため、最新の公式情報を確認してください。
  • 適切な相談先や専門サービスの紹介:より専門的な技術支援が必要な場合に、利用可能な公的制度や外部の支援機関についての案内を受けられます。

「社内にITの専門家がおらず、何から始めればよいかわからない」「取引先からセキュリティ体制についての確認を求められた」といった場合に、最初の相談窓口として活用できます。

4. 中小企業・Web担当者はペネトレーションテストをやるべきか?

自社で費用をかけてペネトレーションテストを実施すべきかどうかは、自社の状況やリスクに応じて判断する必要があります。

一般的な中小企業は、基本対策を確認したうえで必要性を判断する

多くの中小企業では、まずOSやソフトウェアの更新、認証の強化、バックアップの確保など、基本的な対策を確認することが先決です。

実際のインシデント事例を見ても、既知の脆弱性の放置や、推測されやすいパスワード、多要素認証の未設定といった基本的な設定不備が侵入のきっかけになるケースが多く見られます。

ただし、個人情報や決済情報を大量に扱うシステム、金融・医療など社会的影響の大きい業務システム、大手取引先から一定のセキュリティ基準を求められているシステムなどでは、基本対策の徹底と並行して、脆弱性診断やペネトレーションテストの実施を検討することが重要です。

中小企業が確認したい現実的なセキュリティ対策ステップ

限られた予算と人員の中でセキュリティを高めるには、優先順位をつけて取り組むことが効果的です。

【Step 1】基本のIT管理(OS・アプリ更新、多要素認証、強固な認証、バックアップ)
   ↓
【Step 2】自社診断ツールの活用(IPA「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」)
   ↓
【Step 3】無料相談窓口への相談と「SECURITY ACTION」の自己宣言の検討
   ↓
【Step 4】中小企業向けセキュリティ支援サービスの検討(お助け隊サービス等)
   ↓
【Step 5】公開システムの脆弱性診断や必要に応じたペネトレーションテストの検討

Step 1:基本のIT管理の徹底

まずは、日常業務における基本的なIT管理を確認します。

  • OSやソフトウェアの更新:PC、スマートフォン、サーバー、ルーターなどの機器において、セキュリティ更新プログラムを適用し、最新の状態を保ちます。
  • 多要素認証(MFA)の活用:メールやクラウドストレージなど、設定可能なサービスでは多要素認証を優先して有効にします。
  • パスワード管理の見直し:パスワードの使い回しを避け、推測されにくい十分な長さのパスワードを設定します。パスワード管理ツールやパスキーの活用も有効です。
  • データのバックアップ:ランサムウェアや機器故障への備えとして、定期的なバックアップを取得し、必要に応じてネットワークから切り離した保管も検討します。

Step 2:無料自社診断ツールの活用

自社の現状を客観的に把握するために、IPAが提供している「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を活用できます。

25項目の設問を通じて、基本対策の実施状況を確認し、自社で不足している対策項目を整理できます。ここで把握した課題をメモしておくと、相談窓口でのやり取りがスムーズになります。

Step 3:無料相談窓口の活用とSECURITY ACTIONの検討

自社診断で気になった点や優先順位の決め方について、今回設置された「サイバーセキュリティ特別相談窓口」に相談します。

あわせて、IPAの「SECURITY ACTION」の宣言も検討するとよいでしょう。これは、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。なお、自己宣言自体は第三者による安全性の認証や保証を意味するものではありませんが、社内のセキュリティ意識向上や対外的な取り組み姿勢の表明に役立ちます。

Step 4:中小企業向けセキュリティ支援サービスの検討

社内に専任担当者がいない場合は、IPAの制度に登録されたサービスである「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用を検討するのも選択肢の一つです。

これは中小企業向けに提供されているセキュリティ対策サービス群であり、ネットワークの監視、インシデント発生時の初動対応支援、サイバー保険などが組み合わされたプランがあります。

提供される機能(端末監視、UTM設置、駆けつけ支援等)や料金体系はサービス事業者ごとに異なるため、IPAの公式サイトで各サービスの内容を比較し、自社の要件に合うかを確認してください。なお、導入にあたっては「デジタル化・AI導入補助金(セキュリティ対策推進枠)」などの支援制度が利用できる場合もありますが、対象となるサービスや申請条件は制度の公募要領によって異なるため、最新の公式情報を確認してください。

Step 5:脆弱性診断・ペネトレーションテストの検討

自社で外部公開しているWebサービスや、機密データを管理するサーバーを運用している場合は、必要に応じて専門事業者による検証を検討します。

一般的には、まずWebアプリケーションやネットワークの「脆弱性診断」によって既知の欠陥や設定ミスを洗い出して修正し、そのうえで重要な業務シナリオに対して「ペネトレーションテスト」を実施するのが安全かつ合理的な手順です。

5. 無料の「サイバーセキュリティ特別相談窓口」の連絡先と相談先

2026年10月27日より開設された特別相談窓口は、主に以下の2つの機関で対応しています。いずれも相談自体は無料です。

相談窓口運営主体向いている相談内容
各都道府県のよろず支援拠点各地域の実施機関(中小企業庁事業)セキュリティ対策を含む経営全般の相談、地域密着の支援策の確認
中小機構 IT経営サポートセンター独立行政法人中小企業基盤整備機構IT活用や情報セキュリティに関する実務的・専門的な相談

窓口1:各都道府県の「よろず支援拠点」

各都道府県に設置されている中小企業・小規模事業者のための経営相談所です。

  • 対象:中小企業、小規模事業者、個人事業主など
  • 相談内容:セキュリティ対策の進め方、経営改善やIT化とあわせた相談
  • 利用方法:各都道府県のよろず支援拠点の公式サイトを確認し、電話またはWebフォーム等から問い合わせ
  • 注意点:対面やオンラインなど対応可能な相談形式は拠点ごとに異なる場合があるため、事前に各拠点の案内をご確認ください。

窓口2:中小機構「IT経営サポートセンター」

中小企業基盤整備機構が設置している、ITおよびセキュリティに特化した相談窓口です。

  • 対象:全国の中小企業・小規模事業者
  • 電話番号(サイバーセキュリティ特別相談窓口 / 経営相談ホットライン):03-5860-1869
  • 受付時間:平日 9:00〜17:00
  • 相談形式:電話相談、またはオンライン相談(事前予約制・詳細は公式サイト参照)
  • 利用方法:電話で直接問い合わせるか、中小機構公式サイトの「IT経営サポートセンター」専用ページよりオンライン相談の予約案内を確認

相談をスムーズに進めるための準備

相談窓口を利用する際は、以下の情報をあらかじめ整理しておくと、より具体的なアドバイスを受けやすくなります。

1. 自社のIT利用状況の概要
   (PCの利用台数、使用しているメールやクラウドサービス、自社Webサイトの有無など)
2. 現在実施しているセキュリティ対策
   (ウイルス対策ソフトの導入状況、バックアップの取得方法など)
3. 困っている点・相談したい内容
   (取引先から対策状況を尋ねられた、自社に必要な最低限の対策を知りたいなど)

6. よくある質問(FAQ)

Q1:ペネトレーションテストを実施するとシステムに障害が発生するリスクはありますか?

実際に模擬攻撃を行うため、システムの高負荷やサービス停止などの影響が完全にゼロとは言い切れません。そのため実務では、事前にシステムの所有者・管理者の明示的な許諾を得たうえで、テスト対象の範囲(スコープ)を合意し、重要データのバックアップを確保し、異常検知時の緊急停止手順を取り決めて慎重に実施されます。

なお、第三者が管理するシステムに対して、許可なく侵入テストや脆弱性の悪用を試みてはいけません。実施方法によっては不正アクセス禁止法などの法令に抵触する可能性があるほか、サービスへの障害や損害を引き起こすおそれもあります。テストを行う場合は、システムの所有者・管理者から明示的な許可を得て、対象範囲や実施条件を事前に合意しましょう。

Q2:無料相談窓口を利用すると、特定のセキュリティ製品を売り込まれることはありますか?

公的な相談窓口であるため、特定企業の製品やサービスの購入を前提とするものではありません。自社の状況に合った対策の考え方や、公的な支援制度、一般的な選択肢について中立的な助言を受けることができます。

Q3:自社のホームページが安全かどうか、自分で無料で調べる方法はありますか?

Qualys SSL LabsのSSL Server Testなどの外部チェックツールを使えば、公開WebサーバーのSSL/TLS設定や暗号化の強度を無料で確認できます。ただし、これは通信設定の評価であり、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、Webアプリケーション自体の脆弱性を網羅的に検査するものではありません。Webサイトの開発や運用における対策基準としては、IPAが公開している「安全なウェブサイトの作り方」などの手引きを参照し、設計・設定の見直しを行うことが推奨されます。

7. まとめ:自社の状況に合わせた適切なステップを踏もう

赤澤経産相の記者会見で注目された「ペネトレーションテスト」と「無料のサイバーセキュリティ特別相談窓口」について、その関係性と実態を整理しました。

ポイントは以下の通りです。

  • 今回発表された無料相談窓口は、中小企業などのセキュリティの悩みを相談するための窓口であり、ペネトレーションテストを無料で代行実施する窓口ではありません。
  • 脆弱性診断は設定された範囲で既知の弱点を発見することを主眼とし、ペネトレーションテストは具体的なシナリオに沿って影響度を実証する手法であり、両者は補完関係にあります。
  • 一般的な中小企業においては、まずOS更新、認証強化、バックアップなどの基本的な対策を確認することが重要です。
  • 自社の対策に不安がある場合や何から手をつけるべきか迷う場合は、各都道府県のよろず支援拠点や中小機構のIT経営サポートセンター(電話:03-5860-1869)の無料窓口を活用して専門家の助言を得ることができます。

サイバーセキュリティ対策は、単一のツールやテストだけで完結するものではありません。まずは自社が置かれている状況と基本的な対策を確認し、必要に応じて公的な相談窓口を活用しながら、着実に安全性を高めていきましょう。

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参考情報