
Windowsの再インストールやトラブルシューティング、PC移行の際、プロダクトキーを手早く確認したい場面があります。GUIの設定画面を開かなくても、PowerShellやコマンドプロンプトを使えばコマンド1行ですぐに調べられます。
ただし、コマンドで取得できるのは主にUEFI/BIOSのファームウェアに記録されたOEM版のプロダクトキーです。リテール版やデジタルライセンスを利用している場合、コマンドを実行しても空欄になることがあります。
なお、プロダクトキーの確認と、Windowsがライセンス認証されているかどうかの確認は別です。プロダクトキーが表示されなくても、デジタルライセンスによってWindowsが正常に認証されている場合があります。
この記事では、現行のWindows環境に適したPowerShellコマンドを中心に、キーが表示されない場合の原因やライセンス認証状態の確認方法まで分かりやすく解説します。
この記事で行うこと
前提条件・対象読者
PowerShellでプロダクトキー(OEMキー)を確認する
Windows 11・Windows 10・Windows Serverでは、WMICに依存しないPowerShellの Get-CimInstance を使った確認方法が適しています。管理者権限は通常必要なく、通常のPowerShell画面から実行できます。
1. PowerShellを起動する
スタートメニューを開き、検索ボックスに powershell と入力して「Windows PowerShell」または「PowerShell」を起動します。
Windows 11では、キーボードの Win + X キーを押してメニューから「ターミナル」を起動し、その中でPowerShellを使用することもできます。
2. 確認コマンドを実行する
起動したPowerShellの画面に、以下のコマンドをコピー&ペーストして Enter キーを押します。
(Get-CimInstance SoftwareLicensingService).OA3xOriginalProductKey
より詳細な構文で明示的に指定する場合は、以下の形式でも同様に動作します。
(Get-CimInstance -ClassName SoftwareLicensingService -Property OA3xOriginalProductKey).OA3xOriginalProductKey
3. 出力結果を確認する
PCのファームウェアにOEMプロダクトキーが保存されている場合、以下のように25文字の英数字が5文字ずつハイフンで区切られて表示されます。
XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX
このコマンドは、wmic.exe に依存せず、PowerShell標準のCIMコマンドレット(Get-CimInstance)を使ってWMIから情報を取得します。そのため、Windows PowerShell 5.1だけでなく、PowerShell 7以降でも利用できます。
なお、PowerShellの実務でよく使う他のコマンドや構文をまとめて確認したい場合は、PowerShell 7 実務逆引きチートシート もあわせて参考にしてください。
もしコマンドを実行しても何も表示されず、空行のままプロンプトが戻ってきた場合は、次のセクションで原因と対処法を確認してください。
プロダクトキーが表示されない場合の理由と対処法
PowerShellコマンドを実行してもキーが表示されない場合でも、コマンドの入力ミスやWindowsの不具合とは限りません。
最も重要な点として、「キーが表示されないこと」と「Windowsがライセンス認証されていないこと」は全く別の問題です。
キーが表示されない主な理由
コマンドで参照している OA3xOriginalProductKey は、PCメーカーが出荷時にUEFI/BIOSのファームウェアへ埋め込んだOEMプロダクトキーを取得するための項目です。そのため、次のような環境では空欄(何も表示されない状態)になることがあります。
メーカー製PCではUEFI/BIOSにOEMプロダクトキーが保存されていることが多いですが、自作PCや一部のBTOパソコン、リテール版Windowsを利用しているPCでは、そもそもファームウェアにOEMキーが保存されていない場合があります。
対処法1: slmgrコマンドでライセンス状態と部分キーを確認する
キーそのものは表示されなくても、現在のWindowsのライセンス認証状態や、インストールされているプロダクトキーの末尾5文字は slmgr コマンドで確認できます。
PowerShellまたはコマンドプロンプトで、以下のコマンドを実行します。
slmgr /dli
コマンドを実行すると、小さなウィンドウ(Windows Script Host)が開き、以下のような情報が表示されます。
ここで注意が必要なのは、表示される「部分プロダクトキー」は末尾5文字のみであり、完全な25文字のキーを特定・復元することはできないという点です。slmgr /dli は、完全なプロダクトキーを表示するコマンドではなく、ライセンスチャネルや認証状態、部分プロダクトキーを確認するためのコマンドとして利用します。
対処法2: Windowsの設定画面からライセンス認証状態を確認する
GUIの設定画面からも、現在のWindowsのライセンス認証状態を確認できます。
Windows 11の場合:
Win + Iキーを押して「設定」を開きます。- 左メニューの「システム」から「ライセンス認証」をクリックします。
- 「ライセンス認証」の画面で、Windowsがライセンス認証済みであることを示す表示を確認します。
Windows 10の場合:
Win + Iキーを押して「設定」を開きます。- 「更新とセキュリティ」をクリックし、左メニューの「ライセンス認証」を選択します。
- 「Windowsは、Microsoftアカウントにリンクされたデジタルライセンスによって認証されています」などの表示を確認します。
※表示項目や文言は、Windowsのバージョンや更新状況によって多少異なる場合があります。
再インストール時にキーがなくても認証できる場合がある
Windowsの再インストール時にプロダクトキーの入力を求められた場合でも、デジタルライセンスで認証されているPCであれば、25文字のキーを手動入力せずに済むことがあります。
インストーラー画面で「プロダクトキーがありません」を選択して進め、以前と同じエディション(HomeまたはProなど)をインストールすれば、セットアップ後にインターネットへ接続した時点で自動的にライセンス認証が完了する場合があります。
ハードウェアを大幅に変更した場合や、ライセンスの種類によっては挙動が異なるため、再インストール前に現在のエディションと認証状態を確認しておくことをおすすめします。
コマンドプロンプト(WMIC)で確認する以前の方法
インターネット上の多くの記事では、コマンドプロンプトで wmic を使った以下のコマンドが紹介されています。
wmic path softwarelicensingservice get OA3xOriginalProductKey
正常に実行できれば、以下のようにキーが出力されます。
OA3xOriginalProductKey
XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX
WMICの非推奨化とWindows 11での完全削除について
このWMICコマンドを使用する際は、Windowsのバージョンによる動作可否に注意が必要です。
マイクロソフトはWMICユーティリティ(wmic.exe)の非推奨化を進めています。Windows 11では、2026年8月以降の更新により、バージョン24H2および25H2から wmic.exe が完全に削除され、Feature on Demand(FoD)としての追加インストールも行えなくなりました。
なお、削除されたのはコマンドラインツールの wmic.exe のみであり、Windows内部のWMI(Windows Management Instrumentation)基盤そのものは存続しています。WMIは引き続きサポートされており、PowerShellの Get-CimInstance などから利用可能です。
新規の環境構築や日常の運用管理では、wmic ではなく、前述したPowerShellの Get-CimInstance コマンドを使用してください。
※Windows 10やWindows Serverでは、エディションや更新バージョンによってWMICの利用可否が異なります。
ライセンス形態ごとの確認結果の目安
Windowsのライセンス形態によって、コマンド実行時の結果や管理方法が異なります。以下の表でそれぞれの違いを整理します。
| ライセンス形態 | 主な入手方法・特徴 | OEMキー確認コマンドの結果 |
|---|---|---|
| OEMライセンス | PCメーカー出荷時に付属するライセンス。UEFI/BIOSにキーが記録されている場合がある | UEFI/BIOSに対応する埋め込みキーが存在すれば表示される |
| リテールライセンス | パッケージ版やダウンロード版など、個別に購入するライセンス | UEFI/BIOSにOEMキーが保存されていない場合、空欄になることがある |
| デジタルライセンス | ハードウェア構成やMicrosoftアカウントなどに紐づいて認証される方式 | デジタルライセンス情報や完全なキーを取得するコマンドではない(UEFIにOEMキーがあれば表示される場合がある) |
| ボリュームライセンス | 企業・教育機関向けのライセンス(KMSやMAKを利用) | UEFIにOEMキーがなければ空欄になることがある |
実際の表示結果は、PCのメーカー仕様、Windowsのインストール手順、アップグレード履歴によって異なります。
【注意】Officeのプロダクトキーは本コマンドで確認できる?
Microsoft Officeのプロダクトキーは、この記事で紹介しているWindows向けのコマンドでは確認できません。
Officeのライセンス管理方法は、Microsoft 365のサブスクリプション、買い切り版、ボリュームライセンスなど、製品や購入形態によって異なります。Microsoftアカウントに紐づけて管理される製品では、Officeアプリの「ファイル」>「アカウント」画面や、Microsoftアカウントの「サービスとサブスクリプション」から契約・ライセンス情報を確認できます。
Officeのプロダクトキーやライセンスを確認したい場合は、利用している製品や購入形態に応じた正規の方法で確認してください。
参考:Linux環境からUEFIのMSDMテーブルを確認する方法
WindowsがプリインストールされていたPCでは、UEFIのACPI MSDMテーブルにOEMプロダクトキーが保存されている場合があります。Linux(Ubuntuなど)をインストールした後でも、MSDMテーブルが存在すればキーを確認できることがあります。
UbuntuなどのLinuxでターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。ACPIテーブルへのアクセスには管理者権限が必要です。
sudo strings /sys/firmware/acpi/tables/MSDM
出力結果にプロダクトキーが含まれていれば、25文字のキーを確認できる場合があります。
ただし、マザーボードにMSDMテーブルが存在しないPCや、プロダクトキーが保存されていない環境では、ファイルが見つからないか、何も表示されません。
なお、プロダクトキーは重要なライセンス情報です。取得したキーをWebサイトやSNS、スクリーンショット等で公開しないよう取り扱いには十分注意してください。
まとめ
Windowsのプロダクトキーをコマンドで確認する際の要点は以下の通りです。
次に読むおすすめ記事
Windows環境でPowerShellをさらに活用したい方や、コマンドラインによるPC管理・資格情報管理を効率化したい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
- PowerShell 7 実務逆引きチートシート|Bash対比コマンド集
- Windows資格情報をコマンドで確認・削除するcmdkeyの使い方
- WSL2+Dockerで作るWindows開発環境構築まとめ
参考情報
Windows のライセンス認証を行う | Microsoft Support
Windows Management Instrumentation Command-line (WMIC) removal from Windows | Microsoft Support

