
Linuxディストリビューションとして世界中で広く利用されているUbuntuですが、「現在リリースされている最新バージョンはどれか」「自分が使っているバージョンのサポート期限はいつまでか」「LTS版と通常版(Interim Release)は何が違ってどちらを選ぶべきか」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
特にUbuntuは2年ごとに長期サポート版(LTS)が登場し、その間にも半年ごとに通常版がリリースされるため、バージョンのライフサイクルやサポート期間の仕組みを正しく把握しておくことが安定運用の鍵となります。
この記事では、2026年現在のUbuntu最新バージョン情報や歴代バージョンのサポート期限一覧表をはじめ、LTSと通常版の根本的な違い、現在利用中のバージョンの確認コマンド、そして用途に応じた適切なバージョンの選び方まで分かりやすく解説します。
この記事で行うこと
- 2026年最新のUbuntuバージョン(Ubuntu 26.04 LTSなど)と歴代バージョンのサポート期限一覧を整理します
- LTS(長期サポート版)と通常版(Interim Release)の仕様・サポート期間・更新頻度の違いを比較します
- ターミナルから現在動作しているUbuntuのバージョンやサポート状態を確認するコマンドを解説します
- 本番サーバー、開発PC、検証環境など用途別にどちらのバージョンを導入すべきか判断基準を提示します
- サポート期限が迫っている場合のアップグレード手順やUbuntu Proによる延命策を解説します
前提条件・対象読者
- 対象OS:Ubuntu全般(デスクトップ版、サーバー版、WSL2環境)
- 対象読者:これからUbuntuをインストールする方、既存の環境のサポート期限を確認・延命したい方
- 前提知識:Linuxの基本的な概念(コマンド操作ができるとスムーズです)
1. 【2026年最新】Ubuntu歴代バージョン一覧とサポート期限
Ubuntuはバージョンの命名規則として「西暦の下2桁.リリース月」を採用しています。例えば「26.04」であれば「2026年4月」にリリースされたバージョンを意味します。
以下は、現在運用されている主要なLTS(長期サポート版)のリリース日とサポート終了時期(EOL: End of Life)をまとめた一覧表です。
| バージョン | コードネーム | リリース日 | 標準サポート終了 | Ubuntu Pro (ESM) 終了 | 状態 |
|---|---|---|---|---|---|
| Ubuntu 26.04 LTS | Resolute Raccoon | 2026年4月 | 2031年4月 | 2036年4月 | 最新LTS(推奨) |
| Ubuntu 24.04 LTS | Noble Numbat | 2024年4月 | 2029年4月 | 2034年4月 | 安定運用中(推奨) |
| Ubuntu 22.04 LTS | Jammy Jellyfish | 2022年4月 | 2027年4月 | 2032年4月 | 安定運用中 |
| Ubuntu 20.04 LTS | Focal Fossa | 2020年4月 | 2025年4月(終了済) | 2030年4月 | ESM期間中(移行推奨) |
| Ubuntu 18.04 LTS | Bionic Beaver | 2018年4月 | 2023年4月(終了済) | 2028年4月 | レガシーサポート期間 |
最新LTS:Ubuntu 26.04 LTS(Resolute Raccoon)の位置づけ
2026年4月にリリースされた「Ubuntu 26.04 LTS」は、今後5年間にわたる標準セキュリティサポート(Ubuntu Proの利用で最長10年間〜15年間)が約束された最新の長期サポート版です。
Linux Kernel 7.0の採用、デスクトップ環境GNOME 50の搭載、Xorg/X11の廃止とWaylandへの完全移行、NVIDIA CUDAの標準同梱など、最新のハードウェアやAI開発環境に最適化されています。新規に環境を構築する場合は、このUbuntu 26.04 LTSを選択するのが基本となります。
なお、推奨最小メモリ要件が6GBへ引き上げられているため、仮想マシン(Hyper-VやVirtualBox)で運用する際はメモリ割り当てに注意が必要です。
注意が必要な旧バージョン(Ubuntu 20.04以前)
Ubuntu 20.04 LTSは2025年4月をもって5年間の標準サポートが終了しています。現在は無償のセキュリティアップデートが停止しており、継続して利用するには後述する「Ubuntu Pro(ESM)」の契約が必要となります。
業務用途やインターネットに接続するサーバーであれば、セキュリティリスクを避けるためにも、Ubuntu 24.04 LTSまたは26.04 LTSへの早期アップグレードが強く推奨されます。
2. LTS(長期サポート版)と通常版(Interim Release)の違い
Ubuntuには「LTS(Long Term Support)」と「通常版(Interim Release)」という2つのリリース形態が存在します。両者の違いを正しく理解しておくことで、アップデート運用の負荷やトラブルを大幅に減らすことができます。
| 比較項目 | LTS(長期サポート版) | 通常版(Interim Release) |
|---|---|---|
| リリース周期 | 2年ごと(偶数年の4月) | 6ヶ月ごと(毎年4月・10月) |
| バージョン表記の例 | 22.04, 24.04, 26.04 | 24.10, 25.04, 25.10, 26.10 |
| 標準サポート期間 | 5年間(無償) | 9ヶ月間(無償) |
| 延長サポート | Ubuntu Proで最長10〜15年 | なし(EOL後は更新停止) |
| パッケージ方針 | 安定性重視(新機能追加は控えめ) | 先進性重視(最新カーネル・ライブラリ) |
| アップグレード頻度 | 数年に1回でOK | 半年ごとに必須 |
| 主な用途 | 本番サーバー、業務PC、WSL2 | テスト環境、最新機能のお試し |
LTS版のメリットと特徴
LTS版最大のメリットは「圧倒的な安定性と長いサポート期間」です。
OSのコア部分やライブラリのバージョンが固定され、重大なバグ修正やセキュリティパッチのみが提供されるため、予期せぬ動作変更やアプリケーションの互換性破壊が起きにくい設計になっています。一度セットアップすれば最低5年間は大きな仕様変更なしで運用できるため、企業の基幹サーバーや開発基盤として世界標準の地位を確立しています。
通常版(Interim Release)のメリットと注意点
通常版は、最新のLinuxカーネル、最新のプログラミング言語ランタイム、新しいGNOMEデスクトップの機能をいち早く試すためのリリースです。
最新世代のCPU・GPUを搭載したPCでハードウェア認識を向上させたい場合や、次期LTSに向けた新仕様の先行検証には適しています。
しかし、通常版のサポート期間はわずか「9ヶ月間」しかありません。サポートが切れた後はセキュリティパッチが提供されなくなるため、実質的に半年ごとに次のバージョンへアップグレードし続ける必要があります。運用コストとリスクが高いため、一般的な業務用途や本番サーバーでの採用は推奨されません。
3. 現在利用中のUbuntuバージョンを確認する方法
自分が使っているPCやサーバーのUbuntuがどのバージョンで、LTSなのか通常版なのかを確認するには、ターミナルから以下のコマンドを実行します。
① lsb_release -a コマンド(最も推奨)
最も分かりやすくディストリビューション情報を表示できる標準コマンドです。
lsb_release -a
実行結果の例(Ubuntu 26.04 LTSの場合):
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 26.04 LTS
Release: 26.04
Codename: resolute
Descriptionの欄に「LTS」という文字が含まれていれば長期サポート版です。
② cat /etc/os-release コマンド
最小構成のサーバー環境やDockerコンテナ内など、lsb_release コマンドがインストールされていない環境でも確実に使える方法です。
cat /etc/os-release
実行結果の例:
NAME="Ubuntu"
VERSION="26.04 LTS (Resolute Raccoon)"
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
PRETTY_NAME="Ubuntu 26.04 LTS"
VERSION_ID="26.04"
VERSION_CODENAME=resolute
UBUNTU_CODENAME=resolute
③ pro status コマンド(サポート状態の確認)
現在のマシンが「Ubuntu Pro」に接続されているか、セキュリティメンテナンス(ESM)の対象になっているかを確認したい場合は、以下のコマンドを実行します。
pro status
Ubuntu Proが有効化されている場合、インフラ向けパッチ(esm-infra)やアプリ向けパッチ(esm-apps)の有効化状況が表示されます。
4. あなたはどちらを選ぶべき?用途別の判断基準
Ubuntuを新規にインストールする場合、または再構築する場合は、以下の基準で判断することをおすすめします。
本番サーバー・社内インフラ:迷わず「LTS」
Webサーバー、データベースサーバー、社内共有ファイルサーバー(Sambaなど)として稼働させる場合は、100%「LTS」を選択してください。OSアップグレードに伴うシステム停止や設定ファイルの書き換えリスクを最小限に抑えられます。
業務用の開発PC・WSL2環境:原則「LTS」
プログラミングやDockerコンテナを動かす開発用PC、Windows内のWSL2環境においても「LTS」が最も無難です。開発ツールやミドルウェアの多くはLTS版のライブラリ構成を前提に配布・テストされているため、環境構築時の不要なトラブルを回避できます。
最新ハードウェア搭載PC・個人の検証環境:場合により「通常版」
発売されたばかりの最新ノートPCでWi-FiやグラフィックドライバがLTSの標準カーネルで認識しない場合や、次期バージョンのUIや新機能をいち早く試してみたい場合は、通常版(Interim Release)を選択する価値があります。ただし、9ヶ月ごとの定期アップグレードをスケジュールに組み込んでおく必要があります。
5. サポート期限が切れた・迫っている場合の対処法
利用中のバージョンが標準サポート期限(5年)を迎える場合、選択肢は大きく2つあります。
選択肢1:次期LTSバージョンへアップグレードする(推奨)
最も根本的で推奨される解決策は、現在サポートが継続している新しいLTSバージョンへシステムをアップグレードすることです。
例えばUbuntu 24.04 LTSを利用している場合、Ubuntu 26.04 LTSへ安全に移行する手順を以下の記事で詳しく解説しています。
また、新規にUbuntu 26.04をクリーンインストールした場合の日本語入力やフォント、開発ツールの初期セットアップ手順は以下を参考にしてください。
選択肢2:Ubuntu Pro(旧ESM)に登録して延命する
レガシーな業務用システムなどで、どうしても旧バージョン(Ubuntu 20.04や18.04)からすぐにOSを移行できない場合は、Canonicalが提供する「Ubuntu Pro」を利用することでセキュリティパッチの提供期間を最大10年〜15年まで延長できます。
個人利用であれば、Canonicalのアカウントを作成することで最大5台のPCまで完全無料でUbuntu Proのトークンを取得・適用できます。
# Ubuntu Proトークンを適用してESMを有効化する例
sudo pro attach [あなたのトークン]
これにより、標準サポート終了後も重要なセキュリティ脆弱性修正(CVE対応)を受け取ることが可能になります。
まとめ
Ubuntuのバージョン選びと運用管理における重要ポイントを振り返ります。
- 安定運用を求めるなら「LTS(長期サポート版)」一択。2年ごとにリリースされ、標準で5年間、Ubuntu Proで最長10年〜15年間サポートされる
- 通常版(Interim Release)は半年ごとにリリースされるが、サポート期間は9ヶ月間のみ。最新機能のお試し用途に限定するのが安全
- 現在の最新LTSは「Ubuntu 26.04 LTS (Resolute Raccoon)」。AI開発環境や最新カーネルに最適化されている
- 手元の環境のバージョンは lsb_release -a で即座に確認可能
- サポート終了が近いバージョンを利用している場合は、次期LTSへのアップグレードまたはUbuntu Proの登録を早めに検討する
システムの用途とライフサイクルに合わせて適切なバージョンを選択し、安心で快適なLinux環境を運用してください。
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